スウェーデン中銀、予想上回る1%利上げ 積極利上げ姿勢

Reuters

発行済 2022年09月20日 17:27

更新済 2022年09月20日 22:36

[ストックホルム 20日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は20日、政策金利を0.75%から1%ポイント引き上げ1.75%とした。インフレ高進に対応し追加利上げの可能性も示唆した。

1%の利上げは、同じく1%引き上げた1992年11月以来、最大で市場の予想を上回った。ロイターが19日まとめた調査では、0.75%ポイント引き上げ予想が大勢だった。

8月のインフレ率は前年比で9.0%と30年ぶりの高水準で、中銀の予想を上回った。

中銀は声明で「インフレ率は中銀の6月の予想を上回り、年内さらに上昇すると予想する」と表明。「政策金利は今後6カ月で一段の上昇を予想する」と指摘、「現段階で政策金利をより引き上げることで、より長い目でみて高インフレのリスクが低下し、今後必要なより大幅な引き締めも同様となる」と述べた。

中銀は物価上昇が賃上げ要求に波及することを憂慮する。そうなればインフレ率を中銀の目標である2%まで下げるのが一段と難しくなるからだ。

イングベス総裁は会見で「金利が上昇すれば、多くの家計にとって金利コストが上昇する。しかし高インフレ、持続的な高インフレのコストはそれ以上だ」と述べた。

中銀が示した最新の予測では、リセッション(景気後退)入りを想定しながらも利上げを継続する意向がうかがわれる。来年の成長率はマイナス0.7%。6月予想のプラス0.7%から大幅に下方修正した。政策金利は来年2.5%程度がピークと予想、6月予想の約2%から引き上げた。

オーマン・グループの債券部門トップ、クリスチャン・フェステ氏は、政策金利のピークが中銀の予想よりも高いとみており「23年末に3.5%まで上がる可能性も排除しない」と述べた。