英中銀、2回連続0.5%利上げ 第3四半期に景気後退入り予想

Reuters

発行済 2022年09月22日 21:02

更新済 2022年09月22日 23:36

[ロンドン 22日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は22日、政策金利を1.75%から0.5%ポイント引き上げ2.25%とすると発表した。英経済がリセッション(景気後退)に向かっているがインフレ抑制を優先し。引き続き必要に応じて「力強く行動」する方針を示した。

0.5%利上げは8月に続き2会合連続。ロイターのエコノミスト調査でも0.5%利上げが予想されていたが、金融市場では0.75%利上げ予想もあった。

中銀は第3・四半期の国内総生産(GDP)成長率見通しを前期比マイナス0.1%とし、8月初めに示した予想のプラス0.4%から下方修正した。今月初めに死去した女王エリザベス2世の国葬に関連する臨時の祝日があったことが一因とみられる。第2・四半期から2期連続のマイナス成長で定義上の景気後退となる。

しかし「見通しが、需要の強まりなど、より持続的なインフレ圧力を示唆するなら、必要に応じて力強く行動する」とのスタンスを維持した。

0.5%利上げは5対4で決定。ラムスデン副総裁、ハスケル委員、マン委員の3人が0.75%利上げを、ディングラ委員は0.25%利上げを主張した。

一方、8380億ポンドの保有国債を今後1年で満期償還と売却を通じて1000億ポンド削減することは全会一致で決定した。

インフレについては、ピークが10月で11%弱とし、先月の予想(13.3%)から引き下げた。11月から数カ月は10%を上回り、その後低下すると予想した。

8月の消費者物価指数(CPI)は前年比9.9%上昇で、40年ぶりの高水準だった7月(10.1%)から約1年ぶりに減速した。

9月に発足したトラス政権は、エネルギー価格の上限設定や減税など財政拡張路線を取る。