岸田首相がNY証取で演説、「確信もって日本に投資を」 為替介入にも言及

Reuters

発行済 2022年09月23日 05:27

[22日 ロイター] - 訪米中の岸田文雄首相は22日(日本時間23日)、ニューヨーク証券取引所で演説し、看板政策「新しい資本主義」を推進することで日本経済を再び成長軌道に乗せると強調。「確信をもって日本に投資をしてほしい」と呼びかけた。演説後の質疑では、為替介入を実施した理由を改めて説明した。

    首相は「新しい資本主義」を米大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手になぞらえて言うと「成長」と「持続可能性」の二刀流だ、と説明。様々な社会課題を解決して成長のエンジンにしていくため、予算や税制、規制改革といったあらゆる政策を総動員すると語った。

近いうちに世界中の投資家から意見を聞く場を設けるなど、日本のコーポレートガバナンス改革を加速化し、さらに強化するとも述べた。

優先課題の一つに位置づけるGX(グリーントランスフォーメーション)では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて大きな変革に挑んでおり、日本経済復活の大きなチャンス、ブースターになるとアピールした。

国内で今後10年間で150兆円超のGX投資を実現するほか、原子力発電の問題に正面から取り組むと語った。

資産所得倍増プランでは、日本には2000兆円の個人金融資産があるものの、現在、その1割しか株式投資に回っていない、と指摘。「資産所得を倍増し、老後のために長期的な資産形成を可能にするためには、個人向けの少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が必須だ」と語った。

10月11日から日本で新型コロナウイルス対応の水際対策を緩和し、ビザなし渡航、個人旅行を再開するとも表明した。

首相は、「野球で一番盛り上がるのは逆転勝ちだ。私はきょうここに日本の国民の協力を得て、日本経済を再生し、活性化すると伝えたい」と締めくくった。

<為替介入、断固とした対応取る>

演説後の質疑では、政府・日銀が22日に踏み切った為替介入について改めて説明した。首相は、為替は安定的に推移することが重要だが、最近の相場は「投機的な動きも背景とした急速で一方的な動きがみられる」と語った。