英中銀の長期債購入、市場不全への対応 利回り上限目指さず=ピル氏

Reuters

発行済 2022年09月30日 01:41

更新済 2022年09月30日 08:00

[ロンドン 29日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は29日、中銀が前日に開始した時限的な長期債買い入れについて、市場の機能不全への対応を目的としており、利回りに上限を設けたり、政府や金融機関に安価な信用を提供したりするものではないと述べた。

中銀が10月14日まで毎日最大50億ポンド(55億3000万ドル)相当の長期債を買い入れる計画について、銀行の取り付け騒ぎを阻止する措置のようなもので、英国債価格が市場で再決定されるのを止めることにはならないとの認識を示した。英国経営者協会での講演原稿で語った。

ピル氏は買い入れについて「金融政策操作ではない」とし、「長期金利に上限を設けたり、関係機関や政府に対し市場より有利な資金調達条件を提供することを意図したものではない」と述べた。

トラス英首相は市場の混乱は英政府の大型減税を柱とする財政計画よりも海外要因を反映しているとの見方を示しているが、ピル氏は英国固有の要素があることは「疑いようがない」と指摘。

「財政政策の中期的見通し変更のような新たな情報が公表された場合、関連資産、つまり今回は国債価格が再決定されると想定できる」とした。