米小売売上高、9月は横ばい 高インフレと金利上昇が需要圧迫

Reuters

発行済 2022年10月14日 23:48

更新済 2022年10月15日 01:27

[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日発表した9月の小売売上高(季節調整済み)は前月比横ばいとなった。高インフレと急速な金利上昇を背景に、高額商品を中心に消費が手控えられていることが示された。

ロイターのまとめた市場予想は0.2%増だった。ただ予想レンジは1.1%減から0.8%増まで幅広かった。前年同月比では8.2%増加した。

8月は0.3%増から0.4%増に上方改定された。

自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.4%増加した。8月は横ばいから0.2%増に上方改定された。

コア小売売上高は、国内総生産(GDP)統計の個人消費の項目と緊密に連動。9月の増加と8月分の上方改定を踏まえると、エコノミストは、第3・四半期の個人消費の伸び率は1.0%を超えた可能性があるとの見方を示している。

ハイフリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州)のチーフ米国エコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「力強い雇用増と名目所得の上昇を背景に、全体として家計の消費は続いている」としながらも、「借入コストとインフレの上昇が今後、消費の足かせになる可能性がある」と指摘。

EYパーセノン(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏も「消費意欲は依然として旺盛だが、低・中所得層を中心に物価と金利の上昇が一段の重しになっている」と述べた。