英新首相にスナク氏、25日就任へ 経済安定を優先 初のインド系

Reuters

発行済 2022年10月24日 22:48

更新済 2022年10月25日 11:27

[ロンドン 24日 ロイター] - トラス英首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、リシ・スナク元財務相(42)が新党首に選出され、25日に新首相に就任する見通しとなった。対抗馬のモーダント下院院内総務が24日、撤退を表明したことを受けた。

英史上初のインド系の首相となる。エネルギーや食品価格高騰を受けた景気後退に対応し、財政への信頼回復を目指す。

英政局が混迷する中、この2カ月足らずで3人目の首相となる。

スナク氏は党首選出後の演説で、保守党議員に対し「英国が深刻な経済的課題」に直面していると強調。「安定と団結が必要で、私は保守党および国を一つにまとめることを最優先とする」と言明した。

保守党のイアン・ダンカンスミス議員らによると、スナク氏はこれに先立ち、まずは経済的安定の実現を優先し、その後2019年の保守党の選挙公約の実現に目を向けると表明。一方で、国政選挙の実施を否定したという。

スナク氏はチャールズ国王から政権樹立を要請される見通し。

英大衆紙サンの記者によると、スナク氏が議員に対し保守党の「あらゆる翼」が入閣すると話した。

モーダント氏はスナク氏を全面的に支持すると指摘。声明で「この決定は歴史的なものであり、保守党の多様性と手腕を再び示すものだ」とした。

トラス氏もツイッターで、スナク氏を「全面的に支持する」と述べた。トラス首相の報道官によると、スナク氏への引き継ぎは24日には行われず、引き継ぎのタイミングや方策を巡り協議されているという。

モーダント氏の撤退表明を受け、ポンドと英国債価格は一時的に急伸したものの、すぐに表明前の水準に戻った。ITVの記者によると、国王はロンドンに戻っており、24日遅くか25日にトラス氏の辞任を受け入れる可能性があるという。