中国貿易統計、10月輸出入とも予想外の減少 コロナ規制と外需低迷で

Reuters

発行済 2022年11月07日 12:28

更新済 2022年11月07日 16:01

[北京 7日 ロイター] - 中国税関総署が7日発表した10月の貿易統計によると、輸出は前年比0.3%減少、輸入は同0.7%減少した。

輸出入が同時に減少したのは2020年5月以来。インフレと金利上昇で外需が低迷したことに加え、国内の新たな新型コロナウイルス規制で生産・消費が混乱した。

ロイターがまとめたアナリストの予想は、輸出が前年比4.3%増、輸入は同0.1%増だった。輸出は外需減退で、輸入は国内消費の低迷や不動産部門の不振で、いずれも9月(輸出=5.7%増、輸入=0.3%増)から伸びが減速すると見込まれていた。

輸出の伸びは20年5月以来の低水準。輸入の伸びは20年8月以来の低水準。

10月の貿易収支は851億5000万ドルの黒字。アナリスト予想は959億5000万ドルの黒字、9月は847億4000万ドルの黒字だった。

<需要の弱さが浮き彫りに>

今回の貿易統計では需要全般の弱さが改めて浮き彫りとなった。アナリストは輸出や製造業の不振、新型コロナ規制、不動産部門の低迷が向こう数四半期続くと予想している。

輸出は4月以降の元安や年末商戦の到来にもかかわらず、上向いておらず、世界経済全般が圧迫されていることがうかがえる。

上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「輸出低迷はさえない外需とコロナ流行による供給混乱を反映したのではないか」と述べ、米アップルの主要サプライヤーである台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の鄭州工場における混乱を一例に挙げた。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ズーチュン・フアン氏は「今後数四半期に輸出はさらに落ち込むと考えている。積極的な金融引き締めや高インフレによる実質所得の低下が世界経済を来年にリセッション(景気後退)に追いやるだろう」と述べた。

ロイターの算出によると、自動車輸出は数量ベースで前年比60%増と、9月の106%増から急激に鈍化。

厳格な新型コロナ規制と不動産部門の低迷で、大豆、銅、石炭の輸入も減少した。