NZ中銀、過去最大の0.75%利上げ 23年のリセッション警告

Reuters

発行済 2022年11月23日 10:40

更新済 2022年11月23日 15:36

[ウェリントン 23日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は23日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を75ベーシスポイント(bp)引き上げ、2009年1月以来の高水準となる4.25%とした。75bpの利上げ幅はNZ中銀としては過去最大。

根強いインフレの抑制に取り組む中、今後数カ月の金融引き締めについて一段とタカ派的な道筋を示した。同時に、経済は1年間にわたってリセッション(景気後退)に陥る可能性があると警告した。

OCRは来年9月に5.5%でピークに達する見通しとして従来予想から引き上げ、24年までこの水準での据え置きを見込んだ。

中銀は声明で「インフレを中期的に目標レンジ内に回帰させるため、OCRは以前に示したよりも早期に、より高い水準に達する必要がある」とした。

国内経済は23年第2・四半期に縮小し始め、24年第1・四半期までマイナス成長が続くと予想した。

中銀のオア総裁は記者会見で「インフレは誰の友人でもなく、インフレ退治には支出レベルを下げる必要がある」と述べ、「これはマイナス成長期を迎えることを意味する」と指摘した。

会合の議事要旨によると、中銀は100bpの利上げも検討した。

中銀の非常にタカ派的な姿勢を受け、2年物スワップ金利は27bp上昇の5.26%となった。市場は現在、OCRが5.54%でピークに達するとみている。NZドルは0.4%上昇した。

利上げは今回で9会合連続で、OCRは昨年10月の引き締め開始以降400bp上昇。OCRが導入された1999年以降で最も積極的な政策引き締めとなる。

ASB銀行は「中銀のスタンスは100bp利上げの議論を含め、非常にタカ派的だった」と述べた。

ロイター調査ではエコノミスト23人のうち15人が75bpの利上げを予想していた。ただ、中銀の予測や声明文言のタカ派度合いは市場のサプライズとなった。

ASB銀行は、今回の声明は「明確な緊急性」を示すものだとした上で、次回会合まで3カ月あり、中銀は今後、データを見極めながら政策のタカ派度合いが適切かどうか確認することになるとの見方を示した。