中国23年成長率目標は5─5.5%の可能性、最大6%も=関係筋

Reuters

発行済 2023年03月02日 15:00

更新済 2023年03月02日 16:27

[北京 2日 ロイター] - 5日に開幕する中国全国人民代表大会(全人代)で発表される予定の2023年の国内総生産(GDP)伸び率目標について、最大6%の可能性があると複数の関係筋が述べた。

成長率目標はレンジで示される可能性もある。3人の関係筋は、今年の目標が5─5.5%になるとし、4人は最大6%の可能性もあると述べた。

これらの予想は当局者の間で楽観的な見方が強まっていることを示している。政府顧問は昨年11月時点では4.5─5.5%の目標を提唱していた。

協議に関わった関係者の一人は「今年の成長率目標は5─6%になる可能性がある」とし「景気を回復し、雇用を増やし、信頼感を高めることが重要な要素になる」と述べた。

より低い目標が適切とする関係筋の一人は「不動産部門は落ち込みが続いており、これを埋めるのは困難だ。その一方で貿易は今年の経済成長の足を引っ張りそうだ」と慎重な見方を示した。

これら7人の関係筋はいずれも最終的な意思決定には関与していない。

4人の関係者によると、不動産市場の低迷と輸出需要減退の影響を緩和するために、政府は全人代でさらなる景気刺激策を発表する方針。

成長を促進するために今年は財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を約3%に拡大するほか、投資を支援するために約4兆元の特別国債を発行する。

新指導部の経済チームは雇用創出を拡大し地方政府の資金調達状況を改善するために、より良い経済成長を実現する能力を示したい意向という。経済運営を担う首相には上海市党委書記を務めた李強氏が就く見通し。

22年の中国の成長率は3%にとどまり5.5%程度とした目標を大幅に下回った。新型コロナウイルスの流行、不動産市場の低迷、海外需要の減速が打撃となった。

3人の関係者によれば、インフレ目標はこれまで通り3%前後とする。