4月ロイター企業調査:日銀新体制に望む政策、「金融システム安定」5割超と最多

Reuters

発行済 2023年04月20日 10:01

[東京 20日 ロイター] - 日銀は4月27─28日、植田和男氏が総裁に就任して初めての金融政策決定会合を開催する。4月のロイター企業調査では、日銀新体制に望む政策を聞いたところ、「金融システムの安定維持」が52%と最も多かった。

「現行政策の維持」(32%)、「マイナス金利の修正」(23%)、「2%物価目標の変更」(16%)と続いた。

各国の政府・中銀の間では、米銀の相次ぐ破綻やクレディ・スイスの救済を受けて銀行の経営を注視する動きが見られ、信用収縮につながらないか懸念されている。

今のところ日本企業に大きな影響はみられないが、世界景気の後退懸念から一部で事業計画を見直したり、スタートアップ事業の資金調達がしにくくなった、などの声が上がっている。こうした警戒感が金融システム安定への意識の高まりにつながった可能性がある。

「現行政策の維持」に関しては、「政策変更に耐えられるとは思えない」(小売)、「過度な方向転換は企業業績にひずみを生む」(情報サービス)など、引き続き経済の下支え役を期待する傾向がみられた。