ユーロ圏の銀行、与信厳格化 融資需要も減少=ECB

Reuters

発行済 2023年05月02日 20:06

[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の第1・四半期の銀行貸出調査(BLS)と3月の融資統計によると、ユーロ圏では家計・企業の融資需要が減少する一方、銀行も与信を厳格化した。

利上げが経済に打撃を与えていることが改めて浮き彫りになった。4日のECB理事会で利上げ幅を小幅にする根拠が増したとみられている。

第1・四半期に企業の融資需要が減少したと回答したユーロ圏の銀行は差し引き38%で、2008─09年の世界的な金融危機以降で最多。

ECBによると「金融政策が引き締められ、金利全般の水準が融資需要減少の主因になったとの報告があった」。

また、銀行も与信を厳格化しており、差し引きで27%の銀行が融資基準を厳格化したと答えた。これは2011年のユーロ圏債務危機以降で最多だった昨年第4・四半期に匹敵する水準。

3月の企業向け融資は前年比5.2%増に鈍化した。

住宅ローンの需要も一段と減少し、差し引きで72%の銀行が減少を報告した。家計部門が不動産市場の見通しに悲観的になっていることが背景だ。