米債務上限巡り与野党の応酬継続、バイデン氏「交渉の意向なし」

Reuters

発行済 2023年05月03日 01:18

更新済 2023年05月03日 06:09

[ワシントン 2日 ロイター] - 米民主党のシューマー上院院内総務は2日、歳出削減を伴わない債務上限引き上げに向けた超党派による「クリーン」な法案を可決する必要があるという民主党の立場に「変更はない」と言明した。

シューマー氏は上院で、歳出削減を伴わない債務上限引き上げ法案を上院で採決する時期については明確にしなかったものの、「われわれの立場に変わりはない。両党は過去3回デフォルト(債務不履行)に直面した際と同様、6月1日の重要な期限を迎える前にデフォルト回避に向けクリーンな超党派案を共に通過させるべき」と語った。

上院は民主党が51対49で過半数議席を握っているものの、無条件での債務上限引き上げ案を通過させるには、共和党議員少なくとも9人の支持が必要。

米財務省は1日、連邦債務上限が引き上げられなければ、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを示した。これを受け、バイデン大統領は共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導部と来週に会談する方針を示した。[nL4N36Y2J9]

上院共和党ナンバー2のスーン院内幹事は、下院が先週可決された今後10年間の大幅な歳出削減を伴う債務上限引き上げ法案をバイデン大統領は受け入れるべきとし、下院共和党が主導する同法案に対し「強い支持がある」と強調した。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、来週予定されるマッカーシー下院議長ら議会指導部との会合で「バイデン大統領は債務上限引き上げを巡り交渉するつもりはない」と改めて強調。同時に共和党が望む「歳出を巡り別の対話をする意向がある」と述べた。

また、前トランプ政権下では、債務上限が問題なく3回引き上げられたとも指摘した。