欧州大手銀行、シャドーバンクの問題が波及する恐れ=ECB

Reuters

発行済 2023年05月30日 20:09

[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は30日、ファンドや保険会社、決済機関などが預金を引き揚げたり問題に直面したりすれば、ユーロ圏の大手銀行が打撃を受ける恐れがあると警告した。

ECBは伝統的な金融機関とファンドなど「影の銀行(シャドーバンク)」の間のリスクの波及について調査結果をまとめた。

融資を含む銀行の債権と預金など負債がユーロ圏の上位13行に集中していることが明らかになった。シャドーバンクが銀行から預金やレポ取引の資金を引き揚げることが最大のリスクとした。これらの資金は銀行の負債の13%を占め、大手行ではさらに高い割合という。

このような資金の引き揚げはシャドーバンク自身が資金流出に見舞われたり、銀行に対する信用が失われたりした場合に起こり得る。

ECBはこうした資金の出し手は銀行の信用力に非常に敏感で、健全性が不安視されれば銀行は資金調達圧力が高まる可能性があると指摘した。