Olena Harmash
[キーウ 2日 ロイター] - ウクライナ国立銀行(中央銀行)は2日、ロシアの軍事侵攻以来維持してきたドルペッグ(対ドル固定)制を緩和し、3日から柔軟な為替レートを導入すると発表した。景気の下支えが狙い。
ピシュニー中銀総裁はオンライン形式で行われた記者会見で、ウクライナの金融安定性が「過去最大限」まで改善したと強調。景気と企業を支援するために規制緩和に乗り出すことが可能になったと述べ、「昨年7月と比較すると状況は根本的に異なる」と語った。
中銀は2022年2月のロシアの侵攻直後に為替規制を発動し、公定レートを1ドル=約29フリブナで固定。同年7月には1ドル=36.57フリブナへの切り下げを余儀なくされた。
ただ、ここ数カ月間はインフレが鈍化し、企業の景況感が改善するなど、景気回復の兆候が見えている。
中銀は「管理された柔軟な」為替レートにシフトし、過度の相場変動を回避するため、必要に応じて市場介入する用意があると説明。声明によると、為替レートは中銀の「積極的な参加」を伴う銀行間の外国為替取引によって決定される。
複数の中銀当局者は、環境や経済情勢が許せば、為替規制の緩和を継続する計画だとしている。