米11月PPI、前年比0.9%上昇に鈍化 前月比は予想外に横ばい

Reuters

発行済 2023年12月13日 23:19

更新済 2023年12月14日 03:36

[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年同月比0.9%上昇と、10月の1.2%上昇から伸びが鈍化した。

一方、前月比では横ばい。エネルギー製品の価格下落が食品価格の上昇を相殺したためで、インフレ圧力が引き続き沈静化していることが示された。市場予想は0.1%上昇。10月は0.4%下落と従来の0.5%下落から上方改定された。

<経済軟着陸の可能性高まる>

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「米連邦準備理事会(FRB)当局者が政策判断の際に出せる唯一の結論は、生産者レベルではインフレが存在しないということだ。このため、経済を破綻させることなくインフレを低下させ、ソフトランディング(軟着陸)させる可能性がさらに高まる」と述べた。

ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザーであるコンラッド・デクアドロス氏は「インフレ率を2%に戻そうとしているFRBにとって朗報だった」と指摘。

PNCファイナンシャルのシニア・エコノミスト、カート・ランキン氏は「レジャーや接客業などのサービス部門でも個人消費がなおインフレにつながっているが、サービス業者自身のコストが低下傾向にあるため、消費者需要が冷え込めば、消費者物価の上昇率も安定化する」との見方を示した。

<財価格変わらず、サービス価格も2カ月連続横ばい>

11月の財(モノ)の価格は変わらず。10月の財価格は1.4%下落していた。

エネルギー製品の価格が1.2%下落。ガソリン価格が4.1%下落したほか、ジェット燃料やジェット燃料や液化石油ガスの価格も下落した。 10月のエネルギー価格は6.7%下落だった。

一方、食品価格は0.6%上昇。卵の価格が58.8%上昇したほか、メロンなど果物の価格も上昇した。10月の食品価格は0.1%下落だった。