バイデン氏、民主主義巡りトランプ氏と対決姿勢鮮明 一般教書演説

Reuters

発行済 2024年03月08日 10:45

更新済 2024年03月08日 15:01

Jeff Mason Gabriella Borter Idrees Ali

[ワシントン 7日 ロイター] - バイデン米大統領は7日、上下両院合同会議で一般教書演説に臨んだ。11月の大統領選で対戦する見通しのトランプ前大統領への対決姿勢を鮮明にし、同氏が民主主義を脅かし、ロシアに屈していると非難した。

バイデン氏は、トランプ氏が2021年1月6日の議会襲撃事件の事実を葬り去ろうとしているほか、メキシコとの国境警備強化を妨害していると指摘した。

「私の前任者とここにいる何人かは1月6日の真実を葬り去ろうとしている。私はそのようなことはしない。自分が勝った時だけ国を愛することはできない」と述べ、選挙戦でこの問題に焦点を当てることを示唆した。

支持率低迷に苦しむバイデン氏にとって、一般教書演説は今後4年のビジョンについて国民に直接語りかける機会となった。演説ではトランプ氏を直接名指しすることはなかった。

国内外で民主主義が脅かされていると警鐘を鳴らし、北大西洋条約機構(NATO)を巡るトランプ氏の立場は容認できないと訴えた。

演説の冒頭、国防費を拡大しないNATO加盟国に対する侵攻をロシアのプーチン大統領に促すような発言をしたトランプ氏を直接批判。「私の前任者はプーチンに『好きなようにすればいい』と言ったが、これは言語道断で危険で、容認できない」と断じた。

プーチン氏に向けて「われわれは立ち去らない」とも述べた。

人工妊娠中絶の権利や経済を巡っても、トランプ氏と対照的な立場を鮮明にした。共和党議員に対しては、自身の年齢や精神的鋭敏さを巡る懸念を和らげようとしてか、機知に富んだ冗談を交えて辛辣な言葉を浴びせた。

演説では、トランプ氏が20年の大統領選での敗北について虚偽の主張を繰り返していることなどを念頭に、民主主義の脅威に焦点を当てた。