4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・イレギュラー価格は米大統領選後に修正か
・ドル・円は103円03銭付近、ドル下げ渋りも、トランプ・リスクになお警戒
・サントリー食品、富士重など8社の目標株価変更
■イレギュラー価格は米大統領選後に修正か
日経平均は大幅に続落。
245.90円安の16888.78円(出来高概算10億2000万株)で前場の取引を終えている。
3日の米国市場ではNYダウが6日続落となった。
経済指標は強弱まちまちだったが、8日の大統領選を巡る不透明感から、引けにかけて下げ幅を拡大する展開となった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円安の16970円と17000円を下回ってきており、これにサヤ寄せする格好に。
その後も米WSJ調査による最新世論調査ではアリゾナ、テキサスの2州でトランプ氏がクリントン氏を1ケタ台の差でリード。
またジョージア州では、トランプ氏が45%、クリントン氏が44%で大接戦となっている。
などとの報道もあり、一時16801.98円まで下げ幅を広げる場面をみせている。
セクターでは非鉄金属、水産農林の2セクターが上昇。
半面、保険、輸送用機器、医薬品、その他製品、電気機器、情報通信、銀行、食料品、精密機器、海運が軟調。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が8割を占めている。
規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの下落。
米雇用統計に対する警戒感はなさそうだが、米大統領選に対する不透明感から、ポジション圧縮の動きが続いている。
TOPIXは1.70%の下げとなり、日銀のETF買い入れに伴う需給が下支えとして意識されやすい。
しかし、17000円に接近するような場面では、戻り待ちの売り等も控えていると考えられ、不安定な相場展開になりそうだ。
個別では動意をみせている銘柄も散見されるが、限られた物色の中で、短期資金が集中しているようである。
引けにかけてのポジションクローズの動きには注意しておきたい。
イレギュラー的な価格形成もありそうだが、いずれにせよ、大統領選通過後の修正になりそうだ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は103円03銭付近、ドル下げ渋りも、トランプ・リスクになお警戒
4日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋り。
日本株の下げ幅縮小で押し目買いが観測されるが、米大統領選への不透明感による警戒は継続しているもよう。
ドル・円は、米大統領選への懸念から日経平均株価の300円超下落を手がかりに、一時102円83銭まで下落。
ただ、民主党のクリントン候補の支持率が共和党のトランプ候補をやや上回る支持率調査もあり、過度のリスク回避の円買いは後退しているようだ。
ランチタイムの日経平均先物は下げ幅を縮小しており、目先も日本株の押し目買いが続けばドルは103円前半を維持するだろう。
とはいえ、米大統領選を警戒した動きは続く見通しで、ドルは戻りも鈍いだろう。
今晩の米10月雇用統計発表を控えていることもあり、午後は動意の薄い展開となりそうだ。
ここまでのドル・円の取引レンジは102円83銭から103円20銭、ユーロ・円は114円21銭から114円54銭、ユーロ・ドルは1.1096ドルから1.1104ドルで推移した。
12時22分時点のドル・円は103円03銭、ユーロ・円は114円30銭、ポンド・円は128円56銭、豪ドル・円は79円09銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・サントリー食品 (T:2587)、富士重 (T:7270)など8社の目標株価変更
・ピクセル (T:2743)、DI (T:4310)、オウチーノ {{|0:}}など4社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・マネックスG (T:8698)、16年10月の月次概況発表
・ミヨシ油脂 (T:4404)、16年12月期3Qの連結決算を発表
・メキシコ中銀総裁
「(米大統領選で)不都合な状況が現実化すれば、一定の方法で対応すると予想」
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
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