1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・イタリア警戒もインデックス買いでじりじり上昇
・ドル・円は114円34銭付近、ドル・円は上昇一服も、押し目買い
・トヨタ、キーエンスなど10社の目標株価変更
■イタリア警戒もインデックス買いでじりじり上昇
日経平均は大幅に続伸。
413.90円高の18722.38円(出来高概算14億3000万株)で前場の取引を終えた。
OPEC(石油輸出国機構)総会での減産合意を受けて原油相場が大幅上昇したほか、外国為替市場で円相場が1ドル114円台の円安が好感された。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比235円高の18615円となるなか、これにサヤ寄せすると、その後も断続的なインデックス買いにより、じりじりと上げ幅を広げている。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の8割近くを占めている。
規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。
セクターでは鉱業の上昇率が10%を超えているほか、石油石炭、証券、銀行、保険、鉄鋼、海運、機械、不動産、輸送用機器が強い。
一方で、空運、水産農林が下落。
日経平均は寄付き後もじりじりと上げ幅を拡大させてきており、1月4日以来の水準を回復してきている。
ファーストリテ (T:9983)、ソフトバンクG (T:9984)が3%を超える上昇となるなど指数インパクトの大きい値がさ株がけん引する格好となっている。
日経平均はマドを空けて上昇し、その後も200円を超える上昇みせており、過熱感が警戒されやすいだろう。
ただし、価格帯別出来高では商いが薄い水準であるため、1月4日のザラバ高値18951.12円が射程に入ってくることになりそうだ。
一方でイタリア政府は憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施する。
ブレグジットとドナルド・トランプ氏の次に来るのはイタリアとの見方もされている。
英国、米国に続く次の舞台としてイタリアの国民投票に注目が集まるなか、物色を手控える動きにつながる可能性がありそうだ。
そのため、指値がそれ程膨らまないなかで、インデックスに絡んだ商いで指数を押し上げてくる可能性もあるだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は114円34銭付近、ドル・円は上昇一服も、押し目買い
1日午前の東京外為市場では、ドル・円は上昇一服。
ただ、原油の減産合意を受けリスク選好的な円売りに振れやすい地合いとなっている。
11月30日の石油輸出国機構(OPEC)総会で加盟国が減産合意に達したことでリスク要因が後退。
米金利の上昇を背景にドル買い・円売りが強まり、ドルは114円台を回復。
今日の東京市場では114円83銭まで値を切り上げた。
その後、ドル買いは一服し114円26銭まで下げたが、押し目買いが入りやすく114円前半から半ばの水準での推移が続いた。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持。
株高継続を期待した買いが入りやすく、目先は114円を割り込む展開は想定しにくい。
ここまでのドル・円の取引レンジは114円26銭から114円83銭、ユーロ・円は121円08銭から121円56銭、ユーロ・ドルは1.0586ドルから1.0604ドルで推移した。
12時20分時点のドル・円は114円34銭、ユーロ・円は121円18銭、ポンド・円は143円19銭、豪ドル・円は84円57銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・トヨタ (T:7203)、キーエンス (T:6861)など10社の目標株価変更
・オンコリス {{|0:}}、黒田精 (T:7726)、小僧寿し (T:9973)など6社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはファーストリテ (T:9983)、2位ソフトバンクG (T:9984)、2銘柄で日経平均を約87円押し上げ
・菅官房長官
「石油減産の日本経済全体への影響をしっかり見定めていく」
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