15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・次第に中小型株などの材料株にシフト
・ドル円は114円32銭、上値が重い、日本株は堅調地合い継続
・ぱど、ダイヤ電機、U-NEXTなど4社がストップ高
■次第に中小型株などの材料株にシフト
日経平均は反発。
234.52円高の19473.50円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引を終えた。
注目されたイエレンFRB議長証言では、利上げを先送りするのは賢明でないとし、インフレ率や労働市場の改善が進めば、更なる利上げが必要になるとの認識を示した。
利上げ観測の拡大を受けてメガバンクを中心とした金融セクター中心に幅広い銘柄に買いが先行した。
しかし、昨日の東芝ショックを背景としたセンチメントの悪化もあり、その後は19500円手前水準でのこう着感の強い相場展開となった。
日経平均、225先物の日中値幅は70円程度と狭いレンジ内での推移に。
セクターでは保険、銀行、証券、非鉄金属、海運、化学、機械、鉄鋼が堅調。
一方でマイナスはゴム製品の1業種のみだった。
日経平均は19500円を目前に上値の重さが意識されている。
イエレンFRB議長証言を受けた利上げ観測、これを受けたドル高・円安の流れは材料視される。
ただし、東芝の問題があっさり織り込み済みとなる訳ではなく、ポジション圧縮や需給調整などによる商いが交錯しやすいだろう。
そのため、価格帯別出来高の膨れている19500円処では、やれやれの売りも出やすいところ。
物色についてはインデックス主導の上昇になっているが、日経平均がこう着感を強めるなか、次第に中小型株などの材料株にシフトしてきやすいだろう。
資金の逃げ足こそ速いとみられるが、資金が集中しやすく、大きな値幅が出やすい。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は114円32銭、上値が重い、日本株は堅調地合い継続
15日午前の東京外為市場では、ドル・円は上値の重い展開。
日本株の堅調地合いを背景にドル買いが続いたが、利益確定売りなどで上昇は限定的となった。
ドル・円は、前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による早期利上げに前向きな発言で上昇基調となっており、今日のアジア市場でも114円台で推移。
また、日経平均株価の堅調地合いでリスク選好のドル買い・円売りに振れやすい地合いとなった。
ただ、114円台は引き続き利益確定売りなどが出やすく、ドルの上昇は抑えられている。
安倍晋三首相は今日の参院本会議での答弁で、先の日米首脳会談で「米国から日本の金融緩和の必要性に理解が得られた」と発言したが、市場の反応は限定的だった。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持しており、目先の日本株高継続をにらんだドル買いが入りやすい展開に変わりはない。
相関性の高い米金利次第だが、現時点でドルが114円を割り込む展開は想定しにくい。
ここまでのドル・円の取引レンジは114円24銭から114円51銭、ユーロ・円は120円80銭から121円01銭、ユーロ・ドルは1.0565ドルから1.0580ドルで推移した。
12時15分時点のドル・円は114円32銭、ユーロ・円は120円97銭、ポンド・円は142円52銭、豪ドル・円は87円76銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ぱど (T:4833)、ダイヤ電機 (T:6895)、U-NEXT (T:9418)など4社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・安倍首相
「米国から日本の金融緩和の必要性に理解が得られた」
・麻生財務相
「ムニューチン米財務長官、まだ円安と言える状況でないとの理解で話したい」
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
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