21日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・個人マネーは中小型株に
・ドル・円は小じっかり、日銀の緩和維持で円売り
・値下がり寄与トップはファーストリテ (T:9983)、同2位はユニファミマ (T:8028)
■日経平均こう着の中、個人マネーは中小型株に
日経平均は反落。
85.44円安の22806.28円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えた。
20日の米国市場は税制改革法案成立を受けて、材料出尽くし感から利益確定の流れが優勢となっていた。
この流れを受けた日本株市場も利食い先行となった。
その後、5日線レベルでのこう着が続く中、先物主導で一時22728.06円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただし、25日線が支持線として機能する格好から下げ渋りをみせており、5日線レベルでのこう着が続いている。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、過半数を占めている。
セクターでは鉱業、石油石炭、建設、非鉄金属、鉄鋼、金属製品、輸送用機器が上昇。
一方で、水産農林、不動産、小売、繊維、保険、証券、銀行がさえない。
指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ (T:9983)、ユニファミマ (T:8028)、ソフトバンクG (T:9984)が軟調。
225先物は一時22690円と22700円を下回る場面もみられたが、その後は下げ幅を縮めており、日経平均は5日線を挟んでのもち合いが続いている。
税制改革法案成立を受けて、材料出尽くし感といった流れとなっているが、そもそも参加者が限られており、想定内の調整だろう。
また、金融セクターが利食いに押されるものの、一方で売り込まれていたハイテク株の一角には買い戻しもみられている。
物色の流れとしては中小型株に向かいやすいと考えられる。
マザーズ指数はマイナスとなっているが、1200pt回復で利食いも出やすいところ。
JASDAQはプラス圏で推移しており、需給は悪くないだろう。
海外勢はクリスマス休暇によってフローが減少するため、個人マネーが集中しやすい中小型株への物色は活発化しよう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は小じっかり、日銀の緩和維持で円売り
21日午前の東京市場でのドル・円は小じっかり。
日銀は金融政策決定会合で「異次元緩和」の維持を決め、円売りに振れやすい地合いとなった。
米税制改正の法案成立を受け、前日海外市場でドル・円は113円台が定着。
本日のアジア市場でドルは朝方から113円前半を中心とした値動きが続いた。
また、時間外取引の米10年債利回りが高水準で推移し、ドル売りは慎重となった。
ランチタイムの日経平均先物がマイナス圏で推移し、目先の日本株安継続を見込んだ円買いに振れやすい地合いとなっていたが、日銀が現行の緩和的な金融政策の維持を決定。
円売りがドルを押し上げ、ドルは113円40銭台に強含んだ。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円20銭から113円43銭、ユーロ・円は134円46銭から134円67銭、ユーロ・ドルは1.1869ドルから1.1882ドルで推移した。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ヒマラヤ (T:7514)やクレオ (T:9698)がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはファーストリテ (T:9983)、同2位はユニファミマ (T:8028)
■経済指標・要人発言
・日銀金融政策決定会合(声明)
「片岡委員は追加緩和が適当として現状維持に反対」
「個人消費は緩やかに増加」
「設備投資は増加傾向を維持」
☆後場の注目スケジュール☆
・16:00 スイス・11月貿易収支(10月:+23.3億フラン)
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