15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は4日ぶり小幅反落、節目の23000円前に目先の利益確定
・ドル・円はもみあい、日本株や米金利にらみ
・値下がり寄与トップはソフトバンクG (T:9984)、同2位は資生堂 (T:4911)
■日経平均は4日ぶり小幅反落、節目の23000円前に目先の利益確定
日経平均は4日ぶり小幅反落。
3.07円安の22862.79円(出来高概算8億8000万株)で前場の取引を終えている。
14日の米国市場でNYダウは8日続伸し、68ドル高となった。
貿易摩擦問題を巡る米中協議の再開を翌日に控え、トランプ大統領が中国の通信機器大手との取引再開に向けて譲歩する姿勢を示し、協議進展への期待から買いが先行した。
米長期金利の上昇とともに円相場は1ドル=109円台後半と弱含み、本日の日経平均はこうした流れを受けて23円高からスタートした。
ただ、上値では利益確定の売りも出て、寄り付き後の日経平均は前日終値を挟み一進一退の展開となった。
前場の上下の値幅は74円ほどにとどまった。
個別では、堅調な決算や増配、自社株買い実施が好感された三井住友 (T:8316)が売買代金トップで3%近い上昇。
スズキ (T:7269)が3%超上昇し、前日ストップ高水準で取引を終えていた板硝子 (T:5202)は大幅続伸した。
その他売買代金上位では三菱UFJ (T:8306)、みずほ (T:8411)、村田製 (T:6981)、東京電力HD (T:9501)などが堅調で、任天堂 (T:7974)は小高い。
一方、武田薬 (T:4502)、トヨタ自 (T:7203)、Vテク (T:7717)、資生堂 (T:4911)などが軟調。
三菱地所 (T:8802)は5%安。
株主還元姿勢に変化が見られない点がネガティブ視されたようだ。
セクターでは、銀行業、繊維製品、金属製品などが上昇。
反面、不動産業の下げが目立つほか、パルプ・紙や輸送用機器は小安い。
日経平均は直近3営業日で450円超上昇しており、22500円水準通過後の上昇ピッチの速さから節目の23000円を前に目先の利益を確定する売りが出やすい。
円相場はやや弱含んでいるとはいえ、こちらも節目の1ドル=110円を前に下げ渋っている。
6月12日に予定される米朝首脳会談による緊張緩和への期待もおおむね織り込み済みとの見方があり、日経平均の23000円回復にはもう1つ材料が必要となりそうだ。
とはいえ、企業業績の底堅さなどから下値の堅さも見られ、前日の不動産業、本日の銀行業のように出遅れ感のあるセクターには資金が向かいやすい。
また、3月期の決算発表が終盤を迎えており、本日の取引時間中には鹿島 (T:1812)、三井化学 (T:4183)、エーザイ (T:4523)などが決算発表を予定している。
指数の上値が重いだけに、決算を手掛かりとした個別物色が活発となりそうだ。
また、決算を受けたレーティングや目標株価引き上げの動きも出始めている。
本日で決算発表がおおむね一巡するが、レーティング引き上げなどをきっかけに好決算銘柄を買い直す動きも想定される。
■ドル・円はもみあい、日本株や米金利にらみ
15日午前の東京市場で、ドル・円はもみあい。
材料難のなか、日本株や米金利の方向感が定まらず、ドルや円の売り買いは仕掛けづらい展開となった。
ドル・円は、前日NY市場での小幅な値動きを反映。
本日アジア市場でも日経平均株価や米10年債利回りは方向感がつかみにくく、ドルは109円半ばから後半にかけての狭いレンジ内で推移した。
ランチタイムの日経平均先物は一進一退。
また、米10年債利回りは3%付近の推移が続いており、ドル・円は売り買いともに仕掛けづらい。
現時点で節目110円回復には手がかり不足といえそうだ。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円65銭から109円79銭、ユーロ・円は130円76銭から130円99銭、ユーロ・ドルは1.1924ドルから1.1933ドルで推移した。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・セキュアヴェ (T:3042)やSECカーボン (T:5304)など10銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはソフトバンクG (T:9984)、同2位は資生堂 (T:4911)
■経済指標・要人発言
・豪準備銀行・定例会合議事要旨(1日開催分)
「豪ドルの上昇は経済成長やインフレを妨げる」
「見通しに両方向のリスクがある」
「目先は政策変更する強固な理由はないとの見方で一致」
「豪ドルの上昇は経済成長やインフレを妨げるだろう」
☆後場の注目スケジュール☆
・15:00 独・1-3月期GDP速報値(前年比予想:+2.4%、10-12月期:+2.9%)
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