12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続伸、米朝会談などにサプライズあるかが焦点に
・ドル・円は伸び悩み、期待一服で様子見
・値上がり寄与トップはファーストリテ (T:9983)、同2位はテルモ (T:4543)
■日経平均は続伸、米朝会談などにサプライズあるかが焦点に
日経平均は続伸。
63.37円高の22867.41円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えている。
11日の米国市場では本日開催の米朝首脳会談や連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑が強く、NYダウは5ドル高にとどまった。
ただ、為替市場では米朝会談実現への期待が広がり、リスク選好的なドル買い・円売り優勢で円相場が1ドル=110円台前半まで下落。
本日の日経平均はこうした流れを受けて173円高からスタートすると、朝方には一時、取引時間中としては5月22日以来となる23000円台を回復した。
ただ、短期的な達成感などから利益確定の売りも出て、日経平均はマイナスに転じる場面も度々あった。
個別では、ファーストリテ (T:9983)、ソフトバンクG (T:9984)、JT (T:2914)、ファナック (T:6954)などがしっかり。
日本電産 (T:6594)や武田薬 (T:4502)、JR東 (T:9020)は2%超の上昇。
また、LITALICO (T:6187)などとともにLINE (T:3938)が東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、任天堂 (T:7974)、トヨタ自 (T:7203)、ソニー (T:6758)などがさえない。
SUMCO (T:3436)など半導体関連株の下げが目立ち、今後の見通しについて若干弱めとの判断を示したローム (T:6963)は5%安となった。
セクターでは、陸運業、石油・石炭製品、食料品などが上昇率上位。
半面、その他製品、機械、パルプ・紙などが下落率上位となった。
内需・ディフェンシブセクターに資金が向かったようだ。
前日のランチタイムから円売り・日経平均先物買いの動きが強まっていたため、日経平均の23000円台回復を受けて短期筋が目先の利益を確定する展開となっているもよう。
一方で今回の米朝会談による緊張緩和や、堅調な米経済情勢を背景とした米連邦準備理事会(FRB)による利上げと円安進行で一段の株高に期待する向きも多く、下値の支えになっているとみられる。
しかし、こうした期待は前日からの株価上昇である程度織り込み済みと考えられる。
北朝鮮の非核化に向けた具体的な行程が明らかになるなど、市場の期待以上の成果が示されるかに注目しておきたい。
トランプ米大統領の記者会見は日本時間の本日17時から行われる。
日経平均が23000円台を明確に上抜けるためには、更なる株価材料と取引ボリュームの増加が必要だろう。
■ドル・円は伸び悩み、期待一服で様子見
12日午前の東京市場で、ドル・円は伸び悩み。
米朝首脳会談への期待で円売りが先行したが、その後ドルは利益確定売りで小幅に値を下げた。
ドル・円は、前日節目の110円を回復。
本日アジア市場では米朝会談の無難通過を期待した円売りが先行し、ドルは一時110円49銭まで強含んだ。
ただ、利益確定売りに押され、その後は110円20銭台に失速した。
ランチタイムの日経平均先物はプラス圏を維持しており、目先の日本株高継続を意識した円売りがドルをサポートしている。
朝方のドル買い・円売りは一服しており、目先は米朝会談を見守る動きとなり、動きづらい見通し。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円99銭から110円49銭、ユーロ・円は129円51銭から130円02銭、ユーロ・ドルは1.1741ドルから1.1785ドルで推移した。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ビート・ホールディングス・リミテッド {{|0:}}とアプリックス {{|0:}}、2銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはファーストリテ (T:9983)、同2位はテルモ (T:4543)
■経済指標・要人発言
・トランプ米大統領
「大統領選以来、株式市場はほぼ40%上昇し、7兆ドルの経済価値が経済全体に築かれた」
「(北朝鮮とは)いい関係を構築できる」
・金正恩朝鮮労働党委員長
「米朝首脳会談までの道のりは簡単ではなかった」
・日・5月企業物価指数:前年比+2.7%(予想:+2.1%、4月:+2.0%)
・日・4-6月期法人企業景気予測調査・景況判断大企業全産業:-3.2%(1-3月期:前期比+2.9%)
・豪・4月住宅ローン件数:前月比-1.4%(予想:-1.8%、3月:-2.3%←-2.2%)
☆後場の注目スケジュール☆
・米連邦公開市場委員会(FOMC、13日まで)
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