先週の新興市場では、週初こそ売りが先行して始まったものの、その後マザーズ指数や日経ジャスダック平均は急ピッチのリバウンドを見せた。
主要企業の決算や海外株高、貿易摩擦への懸念後退といった外部環境の改善を受けて日経平均が大幅に上昇し、新興市場でも投資家心理が上向いた。
週末にはバイオ株の一角が買われ、マザーズ指数を一段と押し上げた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+5.0%であったのに対して、マザーズ指数は+6.6%、日経ジャスダック平均は+1.7%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で4.6%高、MTG (T:7806)が同13.3%高、ミクシィ (T:2121)が同8.1%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調だった。
サンバイオ (T:4592)は再生細胞薬の試験結果が好感されて同26.9%高となった。
売買代金上位では、提携に係る技術支援の実施を発表したALBERT (T:3906)が活況を見せ、直近IPO銘柄のチームスピリット (T:4397)が週間のマザーズ上昇率トップだった。
一方、UUUM (T:3990)は週初の下落分を埋めきれず、エリアリンク (T:8914)やベガコーポレーション (T:3542)が下落率上位に顔を出した。
ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同31.0%高、セリア (T:2782)が同17.7%高と大きく上昇した。
ハーモニックは中国関連株の買い戻しの流れに乗り、セリアは決算を受けてあく抜け感が広がったようだ。
売買代金上位でもテリロジー (T:3356)やエムティジェネックス (T:9820)が大幅高となり、高見沢サイバネティックス (T:6424)が週間のジャスダック上昇率トップとなった。
反面、ワークマン (T:7564)などが利益確定売り優勢で、業績予想を下方修正した鈴茂器工 (T:6405)やエムケイシステム (T:3910)が下落率上位に並んだ。
IPOでは10月30日上場のVALUENEX (T:4422)が人気を集め、公開価格の約2.3倍となる初値を付けた。
今週の新興市場は、本格的な戻り相場に移行するか慎重に見極める必要があるだろう。
日本株は売られ過ぎによる水準訂正の動きを見せているが、急ピッチの戻りを受けて目先の利益を確定する売りも出てくるだろう。
米国では10月雇用統計を受けて長期金利が上昇しているうえ、11月6日に控える中間選挙も相場全体の不透明要因となる。
また新興市場でも決算発表が本格化するが、特にマザーズ主力企業については期待値がさほど高くないため、買い手控えにつながる可能性がある。
今週は、11月5日にジーンテクノサイエンス (T:4584)、6日にワークマン、フルヤ金属 (T:7826)、7日にシノケングループ (T:8909)、8日にミクシィ、UTグループ (T:2146)、日本マクドナルドHD (T:2702)、メルカリ (T:4385)、そーせいグループ (T:4565)、ハーモニック、9日にアイ・ピー・エス (T:4390)、メイコー (T:6787)、ナカニシ (T:7716)、エムティジェネックスなどが決算発表を予定している。
新興市場では300社近くの決算発表があり、相場全体の地合いを睨みながらも個別物色が活発となりそうだ。
IPO関連では、11月6日にアクセスグループ・HD (T:7042)がジャスダックへ新規上場する。
同社は広告プロモーション事業、採用広報事業、学校広報事業を展開し、外国人留学生向けビジネスに関心を示す投資家が多いようだ。
公開規模が小さいことから需給面も良好で、堅調な初値形成となりそうだ。
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