27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は小幅に3日続伸、米中懸念が22000円台回復阻む
・ドル・円は下げ渋り、日本株高維持で
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクG (T:9984)、同2位はKDDI (T:9433)
■日経平均は小幅に3日続伸、米中懸念が22000円台回復阻む
日経平均は小幅に3日続伸。
31.37円高の21843.37円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えている。
週明け26日の米株式市場では、NYダウが354ドル高と5日ぶりに反発した。
年末商戦の皮切りとなる23日の「ブラックフライデー」にインターネット通販の売上高が前年比24%増になったなどと伝わり、26日の「サイバーマンデー」も好調だったもよう。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も反発。
為替市場では1ドル=113.60円台まで円安が進む場面があり、本日の日経平均はこうした流れを好感して155円高からスタートした。
しかし、トランプ米大統領が中国からの輸入品全てに追加関税を課す意向を示し、「iPhone」を手掛ける米アップルが時間外取引で売られたことが重しとなり、日経平均は寄り付き直後にこの日の高値を付けると伸び悩む展開となった。
個別では、ソフトバンクG (T:9984)が2%超の上昇で日経平均のけん引役となったほか、任天堂 (T:7974)、トヨタ自 (T:7203)、三菱UFJ (T:8306)、三井住友 (T:8316)などがしっかり。
LINE (T:3938)は中国テンセントとの提携が報じられ、商いを伴って急伸した。
また、株式分割の実施を発表した多木化学 (T:4025)、一部証券会社の目標株価引き上げが観測されたEMシステムズ (T:4820)がLINEとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、前日まで堅調ぶりが目立ったユニファミマ (T:8028)は7日ぶりに反落し、武田薬 (T:4502)、日産自 (T:7201)、ファーストリテ (T:9983)もさえない。
大日住薬 (T:4506)など医薬品株の一角が売られ、このところ軟調なアパレル大手ではアダストリア (T:2685)が大幅続落した。
セクターでは、海運業、鉱業、保険業などが上昇率上位。
半面、医薬品、ガラス・土石製品、電気・ガス業が下落率上位だった。
米国市場ではシカゴ日経225先物(円建て)が22090円まで上昇する場面があり、東京市場でも日経平均の22000円台回復が期待された。
しかし、トランプ氏の対中通商問題を巡る発言に阻まれた格好だ。
節目の22000円に迫る場面では目先の利益を確定する売りや戻り待ちの売りが出やすい面もあるとみられ、この水準での上値の重さが意識されてくる可能性がある。
米年末商戦の好調な滑り出しが投資家心理にポジティブに働く一方、週末の20カ国・地域(G20)首脳会議やそれに合わせて行われる米中首脳会談を前に、通商問題を巡る米中の応酬が激しくなることも想定される。
トランプ氏の発言で改めて米中対立への懸念が意識され、後場の日経平均は前日終値及び25日移動平均線をやや上回る水準でのもみ合いが続きそうだ。
■ドル・円は下げ渋り、日本株高維持で
27日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。
日本株の上げ幅縮小が嫌気されたものの、目先もプラス圏を維持するとの期待感から円売りは継続した。
ドル・円は112円60銭付近で寄り付いた後、日経平均株価が上げ幅を縮小すると円売りは徐々に弱まり、ドルは113円40銭台まで値を下げた。
ただ、日経平均はプラス圏を維持し、ドルは114円半ばで底堅い値動きとなった。
ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移し、日本株高維持への期待感から円買いは弱まったようだ。
また、上海総合指数や欧米株式先物の堅調地合いも、株安への警戒を緩和させたもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円41銭から113円60銭、ユーロ・円は128円50銭から128円70銭、ユーロ・ドルは1.1328ドルから1.1335ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・ダイヤモンドエレクトリックホールディングス (T:6699)や、フジタコーポレーション (T:3370)など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは、ソフトバンクG (T:9984)、同2位はKDDI (T:9433)
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・トランプ米大統領
「米中首脳会談が不調に終われば全輸入品に関税」
特になし
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