先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上昇し、マザーズ指数は終値ベースで10月10日以来、およそ1カ月半ぶりに節目の1000pt台を回復した。
米年末商戦の好調な出足や米中の通商問題を巡る合意実現への期待などから、日経平均は週末にかけて6日続伸。
投資家心理が改善し、新興市場でも買いが入った。
週後半はマザーズ売買代金が連日で1000億円を超えた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.3%であったのに対して、マザーズ指数は+5.4%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。
個別では、サンバイオ (T:4592)が週間で9.7%高となり、マザーズ時価総額トップに躍り出た。
その他時価総額上位もMTG (T:7806)が同3.6%高、ミクシィ (T:2121)が同8.9%高と全般堅調だったが、メルカリ (T:4385)は同0.9%安とさえなかった。
好業績銘柄に見直し買いが入り、ティーケーピー (T:3479)は同17.8%高、ジャパンインベストメントアドバイザー (T:7172)は同19.2高となった。
また、前の週から人気化したアクトコール (T:6064)や直近IPO銘柄のVALUENEX (T:4422)が活況を見せ、週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。
一方、JMC (T:5704)やフーバーブレイン (T:3927)が下落率上位だった。
ジャスダック主力もセリア (T:2782)が同3.4%高となるなど全般堅調で、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同11.0%高とリバウンドを見せた。
UTグループ (T:2146)も同16.4%高と上げが目立った。
また、フジタコーポレーション (T:3370)やスリー・ディー・マトリックス (T:7777)が週間のジャスダック上昇率上位となった。
フジタコーポはカジノ関連として物色が向かい、3DMは止血剤を巡る観測報道が買い材料視された。
反面、フルヤ金属 (T:7826)やAKIBAHD (T:6840)が下落率上位だった。
IPOでは、11月28日上場の霞ヶ関キャピタル (T:3498)が公開価格の2倍に迫る初値を付けた。
今週の新興市場は、上値の重い展開となりそうだ。
週末の20カ国・地域(G20)首脳会議や同時に行われる米中首脳会談を無事通過すれば、あく抜け感から中小型株にも物色が向かう可能性はある。
しかし、過去最大級の案件となるソフトバンク {{|0:}}を中心に12月IPOのブックビルディング(BB)が本格化するため、個人投資家主体の新興市場では換金売りが出やすいだろう。
マザーズ指数の1000pt台回復で短期的な達成感もある。
先週は万博・カジノ関連株や無人・セルフレジ関連株が動意を見せ、テーマ株物色が活発となっている。
週末には幼児教育・保育無償化やICタグ普及を巡る報道が見られ、幼児活動研究会 (T:2152)やイトクロ (T:6049)、カーディナル (T:7855)といった関連銘柄の動向が注目されそうだ。
なお、今週は12月7日にソフトウェア・サービス (T:3733)、HEROZ (T:4382)、日本スキー場開発 (T:6040)、OSGコーポレーション (T:6757)などが決算発表を予定している。
IPO関連では、12月11日のアルー (T:7043)及びピアラ (T:7044)上場まで休止期間となる。
足元ではこれら12月IPOのBBが順次始まっているが、アルーなど序盤の申込み状況は順調なようだ。
前述のとおり、今週はソフトバンクなどがBB期間に入る。
なお、先週はテノ.ホールディングス (T:7037)(21日、マザーズ)の新規上場が発表されており、12月のIPO件数は計20社となった。
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