先週の新興市場では、日経平均と同様にマザーズ指数も不安定な動きとなった。
週初の12月10日は国内外の景気減速懸念から日経平均が一時500円超下落し、新興市場でも投資家心理が悪化。
マザーズ指数は翌11日にかけて大きく下落した。
週半ばにはSQ(先物・オプション特別清算指数)算出を前に日経平均がリバウンドを見せ、新興市場でも買い優勢となったが、SQを通過した週末には利益確定の売りが広がった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.4%であったのに対して、マザーズ指数は-3.9%、日経ジャスダック平均は-2.2%だった。
個別では、サンバイオ (T:4592)が週間で3.1%安、メルカリ (T:4385)が同3.5%安、MTG (T:7806)が同2.4%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調。
ただ、ミクシィ (T:2121)は同0.8%高と小幅ながらプラスを確保した。
売買代金上位では海外公募増資の実施を発表したマネーフォワード (T:3994)のほか、オイシックス・ラ・大地 (T:3182)などが大きく売られ、キャリア (T:6198)やライトアップ (T:6580)が週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。
一方、UUUM (T:3990)やオンコリスバイオファーマ (T:4588)は買い優勢で、前期業績を上方修正したマネジメントソリューションズ (T:7033)が上昇率トップとなった。
ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同8.7%安、セリア (T:2782)が同10.5%安と大きく下落。
売買代金上位ではユニバーサルエンターテインメント (T:6425)やシンバイオ製薬 (T:4582)が軟調で、ソフィアHD (T:6942)などが下落率上位に顔を出した。
反面、メイコー (T:6787)やホロン (T:7748)は堅調で、アイ・ピー・エス (T:4335)が上昇率トップだった。
なお、先週は計5社が新規上場し、IPOラッシュが始まった。
アルー (T:7043)やピアラ (T:7044)は堅調な初値形成となったが、全般に市場予想ほど初値は伸びなかった。
相場全体の地合い軟化がIPOにも影響しているようだ。
今週の新興市場では、マザーズ指数が引き続き軟調な展開となりそうだ。
先週末の米国市場ではNYダウが496ドル安と大幅反落しており、世界的な株式相場の乱高下が続くうちは個人投資家も慎重姿勢を強めそうだ。
IPOラッシュがピークを迎えることから、指数に影響のない新規上場銘柄に資金が向かいやすい面もある。
過去最大級のIPOとして注目されるソフトバンク {{|0:}}の動向が個人投資家のマインドや需給に大きな影響を与えるだろう。
また、中小型の好決算銘柄や材料株に物色が集中しやすいと考えられる。
先週末に発表された決算でも、エニグモ (T:3665)など良好な内容のものが散見された。
なお、今週は12月17日にシステム ディ (T:3804)、プロレド・パートナーズ (T:7034)などが決算発表を予定している。
プロレドは前期の業績の伸びが大きいだけに、今期計画も注目されそうだ。
IPO関連では、計12社が新規上場を予定している。
注目のソフトバンクは19日に上場。
ブックビルディングでは配当期待などで一定の需要を集めたが、先に発生した携帯電話での通信障害や中国・華為技術(ファーウェイ)製品規制の影響が懸念されているようだ。
その他では、人工知覚(AP)技術を開発するKudan (T:4425)などの人気が高いもよう。
相場全体の軟調地合いやIPOラッシュによる資金分散の影響で初値は伸び悩みがちだが、その分セカンダリーでの評価余地が大きくなるとも考えられる。
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