先週の新興市場では、日経平均の上昇とともにマザーズ指数や日経ジャスダック平均も堅調な展開となった。
米中貿易交渉の進展期待や米利上げ観測の後退を背景に米国株は1月10日まで5日続伸し、東京市場でも投資家心理が一段と改善した。
マザーズ市場ではサンバイオ (T:4592)やそーせいグループ (T:4565)といった時価総額上位のバイオ株が大きく買われ、指数を押し上げた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+4.1%であったのに対して、マザーズ指数は+7.6%、日経ジャスダック平均は+2.9%だった。
個別では、前述のサンバイオが週間で19.4%高、そーせいが同28.5%高となった。
サンバイオは米カリフォルニア州再生医療機構から補助金を受領し、そーせいは英製薬大手アストラゼネカからマイルストンを受領すると発表している。
その他マザーズ時価総額上位では、メルカリ (T:4385)が同7.0%高、ミクシィ (T:2121)が同8.1%高と堅調。
売買代金上位ではバイオ株のブライトパス・バイオ (T:4594)やアンジェス (T:4563)、直近IPO銘柄のKudan (T:4425)が大きく買われた。
また、AmidAHD (T:7671)が改元関連銘柄との見方から人気化し、週間のマザーズ上昇率トップとなった。
一方、時価総額上位ではMTG (T:7806)、売買代金上位ではALBERT (T:3906)などが軟調。
また、株式の売出し実施を発表したシルバーライフ (T:9262)などが下落率上位に顔を出した。
ジャスダック主力では日本マクドナルドHD (T:2702)が同1.6%高、ワークマン (T:7564)が同12.8%高となる一方、セリア (T:2782)が同16.1%安となった。
12月の売上動向を受けて明暗が分かれた。
ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同8.5%高と堅調だった。
売買代金上位ではサン電子 (T:6736)が引き続き買われ、AKIBAHD (T:6840)などが週間のジャスダック上昇率上位となった。
反面、ヒューマンHD (T:2415)が下落率トップとなり、前述のセリアなども上位に顔を出した。
今週の新興市場では、マザーズ指数が25日線を上抜けてくるかが注目されそうだ。
先週半ば以降、マザーズ指数は900pt近辺に位置する25日線が上値抵抗となって伸び悩む一方、5日線が下値をサポートする形でこう着感を強めている。
円相場の下げ渋りなどでやや中小型株選好が強まっている印象もあるが、外部環境次第でマザーズ指数は上下に大きく振れる可能性があり、神経質な展開となることが見込まれる。
今週は、1月15日にティーケーピー (T:3479)、マネーフォワード (T:3994)、サインポスト (T:3996)、メタップス (T:6172)、RPAHD (T:6572)などが決算発表を予定している。
マザーズ指数が引き続き一進一退の展開となれば、好決算の中小型株を個別物色する動きが中心となりそうだ。
貸会議室のティーケーピー、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)サービスのRPAHDなどは順調に業績を伸ばしており、今回の決算も注目されるだろう。
また、週後半には「オートモーティブ ワールド」「ウェアラブルEXPO」「ロボデックス」といった展示会が開催されるため、出展企業や関連テーマ株への関心が高まる可能性もある。
IPO関連では、現時点で新規上場予定銘柄はない。
1月下旬には19年最初のIPOが発表されるとみられる。
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