米中両国の貿易摩擦の高まりに対する懸念から、投資家が安全資産へと資金を移したことで、水曜日の米ドルは他の通貨に対して堅調に推移した。
ユーロ圏経済や政治の不透明感もユーロ安を招き、これもドルの下支えになった。
ドルインデックスは、午後4時22分時点で97.868と0.3%高となっている。インデックスは98.371という2年ぶりの最高値まであと少しのところまで木曜日に上昇したが、先週末に下落していた。
投資家は、進行中の米中貿易戦争に引き続き注目していた。昨夜、中国がレアアースを使って貿易戦争を有利にしようと準備をしているという報道が流れたが、これは世界の2大経済圏の緊張を強めるであろう。
トランプ米大統領は月曜日に、米国はまだ中国と合意する準備ができていないと述べた。
リスク回避の急増により、米国債の需要が高まっている。 10年国債の利回りは2017年9月以来の水準まで低下しており、反比例する債券価格は上昇している。
ユーロは1.1156まで下落し、2年ぶりの安値である木曜日の1.1105に近づいている。
EUでは、欧州委員会委員長や欧州中央銀行などの多くの機関のトップを選ぶプロセスを開始する予定だ。
「ユーロが下落したのは、特にユーロ圏で貿易戦争の懸念が高まっているためです。EU議会選挙を終え、欧州は政治的な不安定さがたくさん出ています。これはユーロ安につながります」と楽天のTwidale氏は述べている。
欧州議会選挙で勝利したイタリア副首相のサルビーニ氏は、欧州委員会がEUの財政規律違反でイタリアに30億ユーロの罰金を課す可能性があると語った。
ドル/円は109.17、ドル/スイスフランは1.0062とそれぞれ若干下落している。