ドル106円前半、FOMC議事要旨消化しじり安

Reuters

発行済 2019年08月22日 16:04

ドル106円前半、FOMC議事要旨消化しじり安

[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ小幅にドル安/円高の106円前半。きょう22日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の内容を消化しつつ、ドルはじり安の展開となった。また、クロス円での円の買い戻しがドル/円の上値を抑えた。

ドルは仲値にかけて106.65円まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下やさえない株価の動きを眺めて反落した。過去数日間の取引では106.70円が厚い壁(上値抵抗線)となっている。

国内市場の人民元は一時1ドル=7.0755元と2008年3月以来の安値まで下落した。

「米国の対中制裁関税導入を目前(9月1日)に控え、市場はその織り込み(人民元売り)を進めている。まだ完全に織り込んだとは言いがたく、7.1元、7.2元に向けてゆっくりと下落していくだろう」(国内エコノミスト)との見方が聞かれた。

人民元下落のスピード調整に関しては、中国の大手国有銀行がフォワード市場で人民元を下支えしているもようだ。[nL4N25I19F]

米連邦準備理事会(FRB)は前日、7月30─31日のFOMCの議事要旨を公表した。複数の参加者が50bpの利下げを提案していたことが明らかになったほか、政策当局者が追加利下げを検討しているという印象を与えたくないことで一致したことも分かった。[nL4N25H3BN]

議事要旨の特徴について、三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は、今回は「金融の安定性」の維持に関する記述に多くのページが割かれていると指摘する。

FOMCで発表されたスタッフ調査は、かつてフェデラルファンド(FF)金利がゼロまで低下した折に、フォワードガイダンスとバランスシートの拡張政策を併用したことで「金融コンディション」の緩和に奏功したと結論付けている。

「一連の議論からは、今回の利下げが一過性のものに終わらずに、利下げフェーズへの序章となる可能性をFRBがリアルに受け止め、ゼロ金利に到達した際の心構えを表明していることがうかがえる」と同氏はみている。[nL4N25I13F]

ユーロ/円は午後3時過ぎに117.77円付近まで下落し、ドル/円の上値を抑えた。市場はきょう発表されるフランスやドイツの購買担当者景気指数(PMI)に関心が寄せている。

アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

ドル/円  ユーロ/ドル (EUR=)  ユーロ/円 (EURJPY=)