先週の新興市場では、マザーズ指数が週末にかけて値を下げ、日経ジャスダック平均も伸び悩んだ。
米中貿易協議の進展期待から、米国株の上昇につれて日経平均は連日で年初来高値を更新。
ただ、内需系銘柄が中心のマザーズ市場への恩恵は乏しく、マザーズ指数は上値の重い展開だった。
週末にかけてはマザーズ時価総額トップのメルカリ (T:4385)が決算を受けて株価急落し、マザーズ指数を押し下げた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.4%であったのに対して、マザーズ指数は-1.8%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。
マザーズ指数は日足チャートで860pt台に位置する25日移動平均線を割り込んでいる。
個別では、前述のメルカリが週間で18.7%安。
第1四半期決算が大幅な赤字拡大となった。
サンバイオ (T:4592)が同5.3%安、そーせいグループ (T:4565)が同3.6%安とその他のマザーズ時価総額上位も全般軟調だったが、資本業務提携の発表が買い材料視されたSansan (T:4443)は同13.2%高となり、ラクス (T:3923)は株式分割考慮後の上場来高値を更新する場面があった。
売買代金上位では直近IPO銘柄のセルソース (T:4880)が活況となり、第1四半期決算が黒字転換したホープ (T:6195)は週間のマザーズ上昇率トップとなった。
反面、業績下方修正を発表したフレアス (T:7062)や今期減益見通しのリンクバル (T:6046)が下落率上位に並んだ。
ジャスダック主力ではセリア (T:2782)が同8.6%安。
決算発表後の悪材料出尽くし感による買いは続かず、投資判断引き下げの動きも観測された。
ワークマン (T:7564)は決算にサプライズなく同0.1%安。
ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は米中協議の進展期待から同1.2%高と堅調だった。
また、テクノホライゾン・HD (T:6629)は前の週からの人気が続き、週間のジャスダック上昇率トップとなった。
反面、業績下方修正のフェローテックHD (T:6890)などは売りがかさみ、エヌジェイHD (T:9421)が下落率トップだった。
今週の新興市場では、マザーズ指数は戻りの鈍い展開となる可能性がある。
足元で日米の長期金利が急上昇し、バリュー(割安)株への資金シフトが見られる。
こうした動きの持続性に疑問の声はあるが、目先は高バリュエーションの新興成長株が中心のマザーズ市場には資金が向かいにくいだろう。
決算発表一巡後の中小型株物色に期待したいところだが、12月のIPOラッシュが迫ると個人投資家の資金余力が低下する局面となる。
今週は、11月11日にエスケーエレクトロニクス (T:6677)、12日にユーザベース (T:3966)、そーせい、ハーモニック、13日にラクス、PKSHA Technology (T:3993)、JMC (T:5704)、メドピア (T:6095)、ウェルビー (T:6556)、14日にBASE (T:4477)、ヘリオス (T:4593)、自律制御システム研究所 (T:6232)、フェローテック、サイバーダイン (T:7779)などが決算発表を予定している。
BASEは10月の上場後、初の決算発表となる。
IPO関連では、フリー {{|0:}}(12月17日、マザーズ)など5社の新規上場が発表されている。
クラウド会計ソフトのフリーは有力ベンチャーの一角として注目度が高い。
ただ、公開規模も6月上場のSansan並みに大きくなる可能性があり、相応の需要を集めることができるか注視したい。
現時点で12月のIPOは6社だが、前年同月は19社のIPOがあったため、今週も発表が相次ぎそうだ。