ドル108円前半で軟調、復活祭休暇で取引低迷

Reuters

発行済 2020年04月10日 15:30

[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の108円前半。イースター(復活祭)休暇で取引が低迷する中、海外市場でドルが広範な通貨に対して下落した流れを引き継いで、軟調気味に推移した。

ドルは108円半ばで取引を開始した後、仲値にかけて108.62円まで強含んだものの、薄商いの中、調整売り等に押されて108.32円まで下落した。ただ、107円台では実需筋の買い需要が強いとされ、ドルは深押ししなかった。

前日の海外市場では、米国の週間新規失業保険申請件数が2週連続で600万件を上回る中、米連邦準備理事会(FRB)が総額2兆3000億ドルの緊急支援を打ち出したことを受け、ドル資金に対する需要減退の思惑が広がって、ドルが幅広い通貨に対して下落した。

きょうもドル安の下地があるなか、約1週間ぶりの高値圏を推移するユーロは1.09ドル前半で小幅な値動きだった。新興国通貨はしっかりだった。

南アフリカランド (ZARJPY=)は6円ちょうど付近で一進一退。前日夕に2週間ぶりに6円台を回復した後も、大幅に反落することなく値を保っている。ランドは6日に5.60円と過去最安値を付けた。ブラジルレアル (BRLJPY=)は21.21円付近。3日に20.241円と過去最安値を付けたあと反発基調にある。

FRBが9日に発表したデータによると、FRBのバランスシート(B/S)は8日時点で6.13兆ドルと、約1カ月前の3月4日の4.29兆ドルから約43%拡大し、過去最高を更新した。

市場では「危機時とはいえ、FRBは従来の中央銀行の仕事の範疇(はんちゅう)を超えて、証券会社、企業、家計まであらゆるところに流動性をつぎ込んでいる。この結果何が起きるのか、想像するのも恐ろしい」(金融機関)という。

FRBの保有資産のうち、米国債残高は同3兆6300億ドルと、3兆3400億ドルから増加、住宅ローン担保証券(MBS)残高は1兆4600億ドルと、前週からほぼ横ばい。

通貨スワップ協定に基づく外国中央銀行へのドル供給は3581億ドルと、3485億ドルから増加した。

外国中銀を経由した非米銀へのドル供給は、為替スワップ取引でドル資金を確保する邦銀の需要を低下させたとみられる。円投/ドル転スワップを経由したドル調達コストは3カ月物で目下113ベーシスポイント(bp)付近と、1日の130.81bpから大幅に低下した。

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ドル/円  ユーロ/ドル (EUR=)  ユーロ/円 (EURJPY=)

午後3時現在 108.40/42 1.0939/43 118.58/62

午前9時現在 108.55/57 1.0921/25 118.54/58