円に安全買い、米の対中報復措置警戒=NY市場

Reuters

発行済 2020年05月02日 06:13

[ニューヨーク 1日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、安全通貨と見なされる円に買いが入った一方、豪ドルなどのリスク通貨が下落した。米トランプ政権が新型コロナウイルス感染拡大を巡り中国に対する報復措置を検討する可能性があることが関係筋の話で明らかになったことを受け、リスク選好度が低下し、安全資産に資金が流れている。

米当局者を含む複数の関係筋によると、新型ウイルス感染拡大を巡り中国に対する報復措置を検討する動きが米政権内で出ており、中国への制裁発動や、新たな関税またはその他の貿易制限のほか、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」を中国に対し認めない措置などが検討されている。

トランプ大統領は米国でも死者が増大している新型ウイルスの感染拡大を巡り中国に対する非難を強めており、感染拡大を受け中国との通商合意の重要度は後退したとの認識をこれまでも示している。

アクション・エコノミクスは「トランプ大統領が感染拡大を巡り中国を非難し、新たな関税発動の可能性をちらつかせたことで、株式市場で見られていた良好なムードが冷え込んだ」と指摘。「市場が『リスクオフ』となったことで、(安全通貨と見なされる)円がアウトパフォームする一方、コモディティー通貨はアンダーパフォームした」と述べた。

は対ドルで0.29%高の106.86円。豪ドルは対米ドルで1.54%安の0.6410米ドルとなった。リスク選好度の低下を受けカナダドルも売られ、対米ドルで0.94%安となった。

中国人民元も対ドルで下落し、オフショア市場で7.1378元と、4月2日以来の安値を付けた。

ユーロは対ドル (EUR=)で0.17%高の1.0974ドル。一時は1.1017ドルと、4月1日以来の高値を付けた。