午後3時のドルは108円前半、9カ月ぶり高値圏で売買交錯

Reuters

発行済 2021年03月08日 15:32

[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点と変わらずの108円前半。前週末海外市場でつけた9カ月ぶり高値から小幅に下落した水準で一進一退となった。

ドルは一時108.49円まで上昇。5日海外でつけた6月8日以来の高値108.64円には届かなかったが、下げも限定的だった。きょうのアジア市場では米長期金利の上昇が一服し、「(米金利上昇という)ドル/円にとってのエンジンがない状態になった」(外国銀)という。

アジア株が伸び悩む中、他の主要通貨もおおむね横ばい。豪ドルがやや底堅かったが、特段の手がかりはなかったという。

一方、日銀の黒田東彦総裁が5日、長期金利の変動幅を「拡大する必要があるとは考えていない」と発言したことは、今後の円高進行の回避を狙った側面があるのではないか、とする見方が出ている。

「今後、米長期金利の上昇ペースが鈍化して(日銀が3月会合で行う政策の)点検で許容変動幅拡大を打ち出すと、日本の長期金利上昇幅が米国を上回り、円高圧力になってしまうことを懸念した可能性がある」(みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏)という。

5日午後の円債市場では、黒田総裁の発言を受けて長期金利が急速に低下していた。

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