午後3時のドルは108円後半、ドル買いと円買い拮抗 米CPIに注目

Reuters

発行済 2021年05月12日 15:28

[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点(108.60/62円)に比べてややドル高/円安の108.86円付近で推移している。日経平均が連日の大幅下落となり一時2万8000円を下回ったが、ドル/円はほぼ横ばいで推移し、膠着感が目立った。

4月の米消費者物価指数(CPI)の公表を今晩に控えてインフレ懸念が高まったほか、アジア株安が重しとなり日経平均は2営業日連続の大幅下落となった。市場からは「リスクオフの円買いとドル買いの綱引きとなった」(岡三オンライン証券・シニアストラテジスト、武部力也氏)との声が聞かれ、ドル/円の動きは限定的となった。

また、「CPIの結果がFRB(米連邦準備理事会)の金融政策運営の変更につながるかどうか、マーケットは見極めたいようだ」(武部氏)といい、CPI公表後の米市場の反応に注目が集まっている。

CPIが市場予想を上回った場合、「インフレ懸念を強める形で米長期金利が上昇し、ドル高圧力が全般的に強まる可能性もある」(国内金融機関)との声も聞かれた。

投資家のリスクオフ姿勢が強まる中、他の主要国通貨では、豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルが対ドルで下落。高リスク通貨とされる豪ドルやNZドルなどの資源国通貨は株安の局面では売られやすく、下げが目立った。現在、豪ドル/ドルは0.7794ドル付近、NZドル/ドルは0.7224ドル付近で取引されている。

ユーロ/ドルは1.2124ドル付近で推移し、前日のNY市場終盤から小幅に下落。市場からは「株安でドル買いが進み、ユーロが売られた」(国内銀行)との見方が示される一方、4月以降堅調に上値を伸ばしてきた反動で利益確定の動きがみられたとの指摘もあった。

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