午後3時のドルは110円付近、FOMC待ちでこう着気味

Reuters

発行済 2021年06月16日 15:25

[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの110円付近だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え、短期筋の活動が低迷し方向感に乏しく、小幅な値動きに終始した。

クロス円も小動きだった。

ドルは仲値付近で実需のフローを受け110.15円まで上昇したが、FOMCを控えた様子見ムードが続く中で、伸び悩んだ。

市場では、今月の初めに「110円台から一気に振り落とされた記憶も生々しく、上値を追いにくい環境なのではないか」(外為アナリスト)との意見が聞かれた。

ドルは今月3日、4日と2回にわたって高値110.32円をつけたが、4日に発表された5月の米雇用統計を受けて、同日中に109.37円まで1円幅で急落し、週明け7日にもさらに109.17円まで売り込まれた。

このため、「110円台前半では(ドルの)天井感が出やすく、長期金利の急騰など、天井感を払拭するような強い材料が出てこない限り、上値が重くなりやすい」(前出のアナリスト)という。

FOMCについて市場からは、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)に向けたヒントが出されるかや、政策金利の先行き予測(ドットチャート)に関心を寄せる声が多く聞かれた。

市場参加者の間では、8月にカンザスシティー連銀が主催するジャクソンホールシンポジウムで、パウエル議長がテーパリングに関する具体的な発言をするのではないかとの見方が優勢となっている。

ただ、「パウエル議長はマーケットを驚かせるようなことはしないと思われるので、今回のFOMCで何かしら細かいヒントが出されるのではないか」(トレーダーズ証券

の市場部長・井口喜雄氏)との指摘も聞かれた。

また、ドットチャートからタカ派姿勢の強まりが確認された場合、「米金利上昇に伴いドル買いが進行する可能性もありそうだ」(国内信託銀行)との声もあり、政策発表後の米長期金利の動向が注目される。

ユーロ/ドルは1.21ドル前半でこう着気味。

米国と欧州連合(EU)は15日、ブリュッセルで首脳会議を開き、航空機補助金問題を巡りそれぞれが発動させた報復関税を5年間停止することで合意した。

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市場では、報復関税停止がユーロの下支えとなった可能性があるとの見方が出ていた。

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