午後3時のドル110円後半、1年3カ月ぶりの111円台から反落

Reuters

発行済 2021年06月24日 15:28

[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の110円後半。ドルは一時111.11円と昨年3月以来の高値を付けたが、久々の111円台では実需や短期筋の売りが集中し、ドルの一段高を阻んだ。

ドルは仲値付近で111.11円まで上昇したが、高値圏では実需の売りや短期筋の利益確定売りが流入し、押し戻された。 

きょうはイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策会合を控えており、その警戒感もあってドル/円の上昇基調が強まらないという。

「きょうの会合を受けて英ポンド/円が2円ぐらい下振れすれば、ドル/円も巻き込まれて1円ほど下落してもおかしくない。短期筋はこうしたイベントリスクを意識して、足元では売買を手控えているようだ」(外為アナリスト)という。

英ポンド/円は154円後半で神経質な値動き。

21日には直近の安値151.29円を付けたが、その後は急反発。市場では「ポンドは相変わらず下げも上げも超速足」(証券会社)との声が聞かれた。

前週実施したロイター調査によると、きょうのBOEの政策会合での金利変更を予想するエコノミストは67人中ゼロだった。

中央値では23年まで利上げはないとみられているが、インフレ圧力の高まりや景気見通し改善を背景に、利上げ予想時期を前倒しするエコノミストが増えている。

市場では、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、利上げ前倒し期待が高まり、米国債の2年物や5年物などの金利がサポートされたことがドル上昇につながった、との指摘があった。

野村証券のチーフ為替ストラテジスト、後藤祐二朗氏は、過去の相関関係を分析すると、米5年国債利回りがドル/円の動きにとって重要だとし、「FOMC後に5年国債利回りの上昇が再び加速してきたので、111円台突破に貢献したようだ」と話した。

米5年国債利回りは現在0.9054%付近。

午前はクロス円での円安が目立った。

バンク・オブ・アメリカのチーフ為替・金利ストラテジスト、山田修輔氏は、原油価格を中心にコモディティー価格が上昇傾向にあり、カナダドルや豪ドルが堅調だと指摘。

「コモディティー価格の上昇や金融政策の正常化など各通貨で買い材料が出てきている中、円買いの材料は少なく、相対的に円が弱い地合いとなっている」(山田氏)という。

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