午後3時のドルは110円付近、米長期金利の持ち直しで底堅い

Reuters

発行済 2021年07月16日 15:33

[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の110円付近。朝方の取引では株安を背景とするリスク回避の円買いが進んだ。その後は米長期金利の持ち直しなどで110円台を回復。高値圏では前日海外市場の高値(110.08円)が意識され伸び悩んだが、ドルは底堅さを保った。

ドルは朝方の安値109.73円から一時110.07円まで上昇。米長期金利の持ち直しや、ポジション調整の買いが背景とみられる。

日銀は15―16日、金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持を決定した。政策発表後のドル/円相場は小動きで、大きな影響はみられなかった。市場では「日銀会合はノーイベント」(金融機関)との意見も聞かれた。

リフィニティブによると、米10年国債利回りは朝方の1.3006%から1.3221%まで持ち直した。 「米長期金利が下げ止まり、やや持ち直してきたことがドルのサポートになった」(国内信託銀行)という。

市場では引き続き、米長期金利がドル/円の先導役となりそうだが、米国内ではインフレ圧力の高まりと弱めの労働市場に挟まれ、テーパリングについて、米連邦準備理事会(FRB)内でも意見のばらつきが目立ち始めている。

市場では「とりあえず、米国債市場ではパウエル議長の発言に敬意を払って利回りが低下したが、インフレ連動債(TIPS)などは、発言に左右されず、独自の道を歩んでいる」 (外国銀)との見方が聞かれた。

米5年物のインフレ連動債の利回りは現在マイナス1.768%。前回のFOMCをを経た6月18日に、マイナス1.424%までマイナス幅が縮小したが、その後は再拡大し、インフレヘッジに対するニーズの高さを示している。

パウエルFRB議長は14日、15日の議会証言で、米経済回復に向けた「強力な支援」を提供すると改めて表明。足元のインフレ高進を理由に経済支援策を急いで縮小する必要はないとの考えを示した。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、FRBがテーパリングを始める良い時期に来ているとの見解を示した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が13日、報じた。

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