午後3時のドルは109円半ばで底堅い、米長期金利持ち直しで

Reuters

発行済 2021年07月20日 15:23

[東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点(109.44/47円)に比べてほぼ横ばいの109.49円付近で推移している。昨日の海外時間に急落した米10年債金利が上昇したことを受け、ドルは底堅く推移した。

市場からは、新型コロナウイルスの変異株「デルタ」の感染拡大を懸念する声が聞かれたが、足元のリスクオフ姿勢はいったん和らいでいるとの指摘もあった。

米10年債利回りは現在、1.20%台付近で推移。午後に入り一時、1.2%を下回るとドルもつられて弱含んだが、その後はすぐに上昇した。

足元では、デルタ株感染拡大への警戒がマーケットに広がっている。バンク・オブ・アメリカのチーフ為替・金利ストラテジスト、山田修輔氏は、デルタ株についてはまだ分からないことが多く不確実性が高いとし、世界経済の回復が進むというこれまでのシナリオ実現の「リスクが高まってきている」と話す。

市場は経済の回復・再開を見込むポジションを構築してきたが、足元ではその巻き戻しが継続しているという。

ただ、仮に感染がさらに深刻化した場合は、「FRB(米連邦準備理事会)による金融緩和の長期化やバイデン政権の政策期待も高まる可能性がある」(三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏)との意見が聞かれ、為替市場では極端な円高は回避できるのではないかとの見方も示された。

一方、クロス円は下げ止まり、円高の勢いは鈍化している。現在、豪ドル/円は80.19円付近、英ポンド/円は149.60円付近、カナダドル/円は85.75円付近で取引されている。

「米株先物が小幅高となっていることから米株続落の懸念が後退し、リスクオフムードがやや緩和されたようだ」(市川氏)という。

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