午後3時のドル109円後半で伸び悩み、デルタ株への警戒継続

Reuters

発行済 2021年07月21日 15:38

[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点(109.84/87円)に比べて小幅にドル高/円安の109.87円付近で推移している。

午前の取引では、連休を控えた国内実需勢によるドルの手当て買いなどでドルは一時109.98円まで上昇。ただ、その後は米長期金利や日経平均が上昇幅を縮め、ドルは伸び悩んだ。

市場からは、リスクオフ姿勢は和らいだものの、デルタ株への警戒感からマーケットはまだ楽観論に傾きづらい状況との見方も出ていた。

マーケット参加者の間では、引き続き新型コロナウイルスの変異株「デルタ」の感染拡大を懸念する声が聞かれた。

ただ、市場関係者は新規感染者数よりも重傷者数や死亡者数、各国のロックダウン(都市封鎖)の有無を重視しているとの見方が出ていた。「新規感染者数が増加していてもロックダウンに踏み切らない国の通貨は相対的に底堅さをみせている一方、ロックダウンが実施されている国の通貨は弱い地合いになっている」(国内信託銀行)という。

オーストラリアでは、感染抑制策のため一部の州でロックダウンが実施されており、豪ドルは対米ドル、対円で弱含んでいる。現在、豪ドル/米ドルは0.7299ドル付近、豪ドル/円は80.16円付近で推移している。

ドル/円相場は上値の重さが意識されているものの、底堅さも感じられ、「米国では経済活動がストップしてしまうような規制はなく、ドルの底堅さにつながっているのではないか」(国内証券)との声も聞かれた。

他の主要国通貨では、ユーロ/ドルは停滞ムードが続いた。欧州中央銀行(ECB)は22日、政策金利を発表する予定となっており、様子見姿勢が強まっているという。

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