マネロン対策、日本は実質「不合格」 国際組織が審査

Reuters

発行済 2021年08月30日 19:50

[東京 30日 ロイター] - 各国のマネーロンダリング(資金洗浄)対策などを調査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)は30日、日本を実質的に不合格とする報告書を発表した。犯罪の高度化・複雑化により今まで以上に対策の重要性が高まる中、国際協力などの分野は評価する一方、金融機関などの監督・予防措置などに課題があると指摘した。

FATFは39の国・地域が加盟し、190以上の国・地域に対してマネロン対策を勧告する。日本の審査は2019年秋に始まり、実質的に不合格の「重点フォローアップ国」と判断された。今後5年の間にFATFへ対策状況を3回程度報告する必要がある。

FATFの審査は法令の整備状況などの40項目と有効性の11項目をもとに行われた。金融機関が顧客情報や取引の内容などを調査し、調査結果や評価に基づいてリスク低減措置を判断する「継続的な顧客管理」や、異常取引などを検知する「取引のモニタリング」を優先的に取り組むべき課題に挙げた。そのほか、法人顧客の事業活動に支配的な影響力がある個人や法人などの情報収集・保持体制も不十分とした。