NY外為市場=ドル軟化、カナダ中銀タカ派化でボラティリティー高まる

Reuters

発行済 2021年10月28日 05:25

更新済 2021年10月28日 06:09

[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、カナダ銀行(中央銀行)がタカ派的なスタンスを示したしたことで、ボラティリティーが一時的に高まった。

ボラティリティーの高まりの中で、米ドルはカナダドルや円などに対して下落。主要6通貨に対するドル指数は93.8240と、0.1%低下した。

カナダ中銀は政策金利を予想通り0.25%に据え置いたものの、2022年の大半でインフレ率が目標値を上回る状態が続くと警告し、従来の予測より3カ月早く利上げを実施する可能性を示唆した。

カナダ中銀が示したスタンスは予想以上にタカ派的と受け止められ、米ドルはカナダドルに対し一時0.7%下落。ただその後は下げ幅を縮小した。

OANDAのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は、それぞれの国・地域のインフレ見通しは異なるため「一部の通貨について金利差を推し量るのが極めて難しくなる」と指摘。「今後、外為市場のボラティリティーは高まる」との見方を示した。

各国中銀がインフレ高進を回避しながらパンデミック(世界的大流行)からの景気回復を支援する方策を模索する中、カナダ中銀がこの日に示した姿勢は、金利が今後どのように変化し、為替相場にどのような影響を与えるか、新たな評価のきっかけになる可能性があると市場関係者は指摘。28日には欧州中央銀行(ECB)が理事会、日銀が金融政策決定会合を開くほか、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。

ユーロは約0.1%高の1.1607ドル。値動きは前日終値の上下0.2%以内にとどまった。

ドルは対円で0.3%安の113.7950円。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、先週に過去最高値を付けた後に利食い売りが出ていることで下落。一時5万8100ドルと、1週間半ぶりの安値を付けた。

ドル/円 NY終値 113.81/113.84

始値 113.75

高値 113.87

安値 113.40

ユーロ/ドル NY終値 1.1604/1.1608