今週の新興市場では、マザーズ指数が2週連続で下落した。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて金融市場が大きく揺れるなか、マザーズ市場でも投資家心理が悪化。
マザーズ指数は2月24日の取引時間中に一時650ptを割り込み、終値でも2020年4月8日以来の安値を付けた。
ただ、翌25日は「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを和らげるのでは」といった期待などからグロース(成長)株が買われ、マザーズ指数も急反発して700pt台まで戻し、今週の取引を終えた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.4%であったのに対して、マザーズ指数は-1.1%、日経ジャスダック平均は-1.5%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のフリー (T:4478)が週間で4.6%安、そーせいグループ (T:4565)が同2.8%安と軟調。
売買代金上位ではFRONTEO (T:2158)やアスカネット (T:2438)などがマイナスとなったが、FRONTEOは週末に急反発して下げ幅を大きく縮めた。
前の週に上場したエッジテクノロジー (T:4268)は初値高の反動がきつく、アクセルマーク (T:3624)も前の週に急伸した反動から週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。
一方、メルカリ (T:4385)は同1.9%高、ビジョナル (T:4194)は同2.5%高と堅調。
サンバイオ (T:4592)は大きく買われ、サインド (T:4256)などが上昇率上位に顔を出した。
ジャスダック主力では日本マクドナルドHD (T:2702)が同1.6%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同0.5%安。
売買代金上位ではフェローテックHD (T:6890)などが軟調で、シンバイオ製薬 (T:4582)の下げが目立った。
また、ビーマップ (T:4316)などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。
一方、ワークマン (T:7564)は同8.4%高、アンビスHD (T:7071)は同10.6%高となり、ジーダット (T:3841)などが上昇率上位に顔を出した。
IPOでは3社がマザーズへ新規上場し、2月24日のBeeX (T:4270)は公開価格の約2.3倍となる初値を付けた。
来週の新興市場では、週初こそロシア・ウクライナの停戦交渉への期待が先行しそうだが、なお不透明感が残ることを念頭に置いて取り組みたい。
停戦交渉の行方もさることながら、ウクライナ問題を受けて米金融引き締めを織り込む動きがやや後退したのも気になるところだ。
一部のFRB高官はウクライナ問題を注視しつつも、引き続き金融引き締めに前向きな姿勢を示している。
1月の米個人消費支出(PCE)物価指数は大幅に伸び、米インフレ・金融引き締め懸念は拭いづらい。
新興株も米経済指標やグロース株全般の反応睨みの展開となりそうだ。
ただ、今週末のビジョナルやアンビスHDの力強い上昇には、これまで大幅な調整を強いられてきた高成長銘柄の押し目買いニーズも感じられた。
ビジョナルは3月に決算発表を予定している。
また、新型コロナウイルス感染者数のピークアウト感を意識した物色も見られ、引き続きアドベンチャー (T:6030)などの動向に注目したい。
IPO関連では、3月2日にビーウィズ (T:9216)が東証1部へ、3日にイメージ・マジック (T:7793)がマザーズへそれぞれ新規上場する。
コンタクトセンター運営のビーウィズは公開価格が仮条件の下限で決定。
機関投資家の需要獲得が必要な比較的大型のIPOにはまだ厳しい環境であることが窺える。
なお、今週はギックス(3月30日、マザーズ)など3社の新規上場が発表されている。
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