東京外為市場・正午=ドル104円割れ、ユーロは1年ぶり安値から反発

Reuters

発行済 2014年08月27日 06:54

東京外為市場・正午=ドル104円割れ、ユーロは1年ぶり安値から反発

[東京 26日 ロイター] -   
  
         ドル/円 JPY=   ユーロ/ドル EUR=   ユーロ/円 EURJPY=
 正午現在   103.83/85  1.3202/06  137.09/13
 午前9時現在 104.06/08  1.3184/88  137.20/24
 NY午後5時 104.04/06  1.3191/93  137.25/29

正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高
の103円後半。前週から新規でドルの買い持ちを膨らませてきた投機筋が一部ポジショ
ンを手じまい、ドルの下げが加速して104円を割り込んだ。一方、ユーロは約1年ぶり
の安値から買い戻された。

この日、ドルは仲値公示までは辛うじて104円台を保っていたが、その後はストッ
プを巻き込んで下げが加速した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表
前後からドル買い/円売りのポジションを膨らませてきた海外投機筋が、ここに来てドル
が伸び悩んでいることを嫌気し、手じまいに動いたという。ドルは一時103.75円ま
で下落した。

ドルの一時的な買い持ちはFOMC議事録以前にも、既に相当規模に達していた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部
門の取組(8月19日時点)によると、主要6通貨に対する投機筋のドルの買い越し幅は
過去2年余りで最高となった。

一方で、実需筋はほぼ様子見で、「29日まで様子見を決め込む企業もある」(金融
機関)という。
  
<ユーロは1年ぶり安値から小反発>

  ユーロは一時1.3178ドル付近まで軟化し、昨年9月9日以来約1年ぶりの安
値を更新したが、その後は小幅に買い戻され1.32ドル台を回復した。

前日の欧州時間には、欧州中央銀行(ECB)がインフレ低下に対処するために量的
緩和策(QE)を実施する準備をしているのではないかとの観測から、ドイツ、フランス
、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランドなどの国債利回りが過去最低を更新し
た。ドイツ国債10年物利回りは0.948%で前日欧州市場の取引を終えた。

「ユーロはショートカバーが警戒される水域に来ている」(外為アナリスト)とさ
れるが、この日予定されるロシア大統領とウクライナ大統領の首脳会談を控えて、地政学
リスクをめぐる緊張が高まっている。

ウクライナ軍は25日、新ロシア派武装戦力を装ったロシア軍兵士がウクライナ南
東部に侵入したと発表し、ロシア側を非難した。ウクライナ軍によると、戦車10台と装
甲車2台が南東部に侵入。ウクライナ軍は、国境から約10キロ離れたノボアゾフスク付
近で進軍を食い止め、戦車2台を破壊、「情報活動・破壊活動」に関与した数人を拘束し
た。
ロシア政府は兵士の南東部侵入を否定。モスクワで記者会見したラブロフ外相は「
この件については聞いていないが、われわれの『侵入』については虚偽情報が多くある」
と述べた。

<米利上げの「標準ケース」は不明>

ジャクソンホールでのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では「利上げ
が想定より早まる可能性がある」というこれまで通りの考え方を表明する一方で、「想定
より緩和的になるかもしれない」とも述べている。
 市場では「想定という言葉を使うからには、FRB執行部が思い描く標準ケースがあ
るはずだが、それが全くはっきりしない。時期については完全に煙に巻かれたままだ」(
国内エコノミスト)との声が聞かれた。

  ただ、為替市場では、イエレン氏の講演後にドル買いがいったん勢いづき、前日一時
104.49円まで上昇した。
この背景には「早期利上げを織り込みつつある市場に対して強く異議を唱えなかった
こと」(プレビデンティア・ストラテジー外為ストラテジスト、山本雅文氏)があるとい
う。
 さらに、足元のドル上昇は、米10年債利回りが低下する環境で起きている。
 「QEの世界では長期ゾーンに関心が集まったが、目下の焦点はFF(フェデラルファ
ンド)金利をいつ引き上げるかであり、2年から5年ゾーンなど、より短期の利回りにフ
ォーカスが移っている」と山本氏は言う。
 米2年国債利回り US2YT=RR は0.4959/0.4918%の気配で、8月半ばの
0.3914%から上昇が際立つ。一方、 米10年国債利回り US10YT=RR は2.375
0/2.3732%の気配で、前日米東部時間午後5時過ぎの2.3838%から低下。
直近の高水準は21日の2.4480%。

<イタリア紙が掲載した黒田総裁のインタビュー>

黒田東彦日銀総裁は、イタリアの全国紙コリエレ・デラ・セラが25日付に掲載した
インタビューで、 昨年4月の量的・質的金融緩和(QQE)導入以降、円は下落したが
、2007年の水準と比較すると対ドル・ユーロで依然として強すぎると指摘した。

日本経済については「消費は通常の水準に回復しており、7─9月は国内総生産(
GDP)の回復をわれわれは予想している」とした。
黒田総裁はまた、ユーロ圏がデフレに陥る可能性は低いとの見方を示すとともに、
デフレリスクが深刻化した場合は欧州中央銀行(ECB)が行動を取ると確信していると
語った。
さらに、デフレのダメージの大きさは日本のこれまでの状況で証明されているとし
た上で、日銀が物価安定目標の2%を2015年度までに実現できない場合は、2015
年以降もQQEを継続すると表明し、「インフレ率は現在1.3%で、われわれは道半ば
にある」と述べた。

(森佳子)
((※ yoshiko.mori@thomsonreuters.com)(03-6441-1877)(RM:
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