午後3時のドルは115円付近、米FRB議長発言などにらみ膠着

Reuters

発行済 2022年03月01日 15:41

[東京 1日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(114.99/02円)とほぼ変わらず115.04/06円で推移している。依然として予断を許さないウクライナ情勢や、2─3日に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言をにらみ、様子見姿勢が広がった。ドルは終日横ばい圏での動きで、値幅は30銭程度にとどまっている。

3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスポイント(bp)の利上げを織り込む見方が優勢となっているが、市場では「パウエル議長の議会証言で利上げ幅を確認したいという思惑もあり、足元では様子見姿勢が強い」(SMBC信託銀行の投資調査部マーケットアナリスト・合澤史登氏)との声が聞かれる。週末には米雇用統計の公表を控えていることもあり、積極的な取引は手控えられている。

ウクライナ情勢の動向を見極めたいとの思惑も強い。ロシアとウクライナの停戦交渉が28日行われたが合意に至らず、双方が結果を持ち帰って協議した後、2回目の交渉を行う見通しになった。

SMBC信託銀行の合澤氏は「2回目の交渉が行われるとの報道で過度なリスク回避は緩和されたようだ」と指摘した一方、不透明感が強い状況は変わらず、ポジションをどちらかに傾けるのが難しいとの見方を示した。

日銀審議委員候補に注目する声も出ている。政府は片岡剛士委員と鈴木人司委員の後任について、岡三証券の高田創氏と三井住友銀行の田村直樹氏を充てる国会同意人事案を提示した。

ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏は、鈴木委員の後任に田村氏が充てられるのは「銀行枠」とみられるため違和感はないとした上で「市場関係者は以前から片岡委員の後任に注目していたが、高田氏は片岡委員に比べてリフレ派色が弱い印象だ」と話す。

各国が金融政策の正常化に向けて舵を切る中、日本は緩和姿勢を維持しているが、「将来的な金融緩和の出口を意識した人選で、岸田政権の意向が反映されているのではないか」(上野氏)とみている。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円