ロシアが冷戦時代の閉鎖経済に回帰、リセッションへ=米高官

Reuters

発行済 2022年04月02日 04:13

更新済 2022年04月02日 06:45

[ワシントン 1日 ロイター] - ウクライナへの侵攻を理由に西側諸国がロシアに科した大規模な制裁措置により、ロシアは閉鎖経済に回帰し始めており、リセッション(景気後退)に追い込まれると、米財務省の高官が1日、匿名で述べた。

記者団に対し、ルーブルは対ドルで回復しているものの、ロシアは急激なインフレ、輸出の減少、物資の不足に苦戦していると指摘。ルーブルの回復は市場原理によるものではなく、厳格な資本規制および外為規制によってもたらされているとした。

また、ロシア政府が実施している外為規制はルーブルの国際的な評価が需給によって決定されていないことを意味していると言及。ブラックマーケットではルーブルの価値が急落しており、金融商品としてのルーブルの脆弱さを反映しているほか、国内の急激なインフレ高進はルーブルの購買力低下を示しているとした。

ルーブルの国際的な評価は、乏しい外貨を維持することを目的とした規制により、ロシア経済のパフォーマンスと切り離されているとし、協調制裁はロシア経済に非常に大きな打撃を与えており、国外のアナリストらはロシアの国内総生産(GDP)が今年約10%縮小すると予測していると語った。