新興市場見通し:インフレピークアウト期待はく落で再びリスクオフへ

Fisco

発行済 2022年06月11日 14:22

■ナスダックの底堅さ背景に続伸

今週の新興市場では、日経平均の続伸劇が週後半まで続くなか個人投資家心理も改善し、マザーズ指数は週間ベースで続伸。
米5月雇用統計の結果を受けた米長期金利の上昇が警戒されたが、金利上昇幅が限定的だったことやナスダック総合指数の底堅さが続いたことで、新興株も堅調推移が続いた。
週末の6月限先物取引に係る特別清算指数(SQ)算出を前にした買い戻しも背景にあったとみられる。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.23%であったのに対して、マザーズ指数は+2.50%、東証グロース市場指数は+2.60%だった。


個別では、週間でフリー (TYO:4478)が+10.6%、ウェルスナビ (TYO:7342)が+14.7%、TKP (TYO:3479)が+13.1%と上昇し、Appier Group (TYO:4180)は+3.4%、弁護士ドットコム (TYO:6027)は+4.3%と主力株が全般堅調だった。
売買代金トップには直近IPOのトリプルアイズ (TYO:5026)が入ったが、+1.6%と伸び悩んだ。
東証グロース市場値上がり率トップはエッジテクノロジー (TYO:4268)で、今期の大幅増益見通しが好感され週末に急伸した。
1日に発表した臨床試験の進捗をきっかけとした上値追いが続いたキャンバスも上位にランクイン。
一方、業績予想を下方修正したイメージマック (TYO:7793)が急落し、値下がり率トップとなった。
ほか、前の週までの上昇の反動売りが出たフロンティアI (TYO:7050)が値下がり率上位に入った。


■金融政策イベント相次ぎ押し目買いは期待薄か

来週の新興市場では、マザーズ指数の下落が予想される。
今週末に発表された米5月消費者物価指数(CPI)の伸びは前年比と前月比で揃って予想を大幅に上回り、前月からも大きく加速した。
また、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数でも前年比と前月比で揃って予想を上回った。
3月でインフレはピークアウトしたとの期待はほとんど打ち消されており、週末の米株市場では主要株価3指数が揃って大幅に続落している。
投資家心理が急速に悪化するなか、マザーズ指数も週初から下落を余儀なくされるだろう。
14~15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、政策金利見通し(ドットチャート)も公表される。
CPIの結果を受け、タカ派な結果が警戒されているため、押し目買いも期待しにくい。
インフレのピークアウトが見通せないなか、FOMCイベント通過後もあく抜け感は高まりづらく、安易な押し目買いは避けた方が無難だろう。


金融政策の動きを反映する短期債に比べて米10年債利回りの上昇率は限定的だったが、それでも、米長期金利は10日に3.16%と、5月6日の3.14%を上回ってきている。
来週はFOMCのほか英国でも金融政策委員会が開催予定で、金融政策イベントが目白押しの中、金利動向に敏感な新興株は厳しい展開が続きそうだ。
こうした中、今週東証グロース市場に新規上場したANYCOLOR (TYO:5032)が連日で急伸している。
こうした直近IPOのほか、ANYCOLORの上場をきっかけに関連株として注目されるUUUM (TYO:3990)などに物色が波及することが予想されよう。


今週は坪田ラボやイーディーピーなど合計6社がブックビルディング(BB)期間入りとなった。
また、新規にINTLOOPの上場承認が確認されている。



アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。 上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。

ログアウト
本当にログアウトしますか?
いいえあり
キャンセルあり
変更を保存