NY外為市場=ユーロはパリティ回復、ドル20年ぶり高値からやや戻す

Reuters

発行済 2022年07月14日 05:43

更新済 2022年07月14日 06:10

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが1ユーロ=1ドルの等価(パリティ)を回復し、ドルは20年ぶり高値から下げた。6月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)が40年超ぶりの大幅な伸びを示したことを受け、ユーロは一時パリティ割れする場面があった。

米労働省が13日に発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比で9.1%上昇と5月の8.6%上昇から加速し、ロイターがまとめたエコノミスト予想の8.8%上昇を上回った。

CPIの発表後、ユーロ/ドルは一時0.9998ドルと、パリティを割り込み、2002年12月以来の安値を付けた。

ただ、終盤には1.0061ドルまで持ち直した。ユーロは1ドル近辺が支持線とみられている。

ドル指数は一時、02年10月以来の高値となる108.59に達したが、その後は107.95まで下落した。

対ロシア制裁に端を発したエネルギー危機により、ユーロは打撃を受けている。

DRWトレーディング(シカゴ)のマーケットストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「対ロシア制裁は欧州連合(EU)にも重しとなっている。パンデミック(世界的な大流行)から脱却後、もともと厳しい状況にあるが、それに追い打ちをかけてユーロの投資妙味も低下させている」と指摘した。

市場予想を上回る6月CPIを受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での100ベーシスポイント(bp)利上げ確率が上昇した。

また、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は13日、7月FOMCで100bpの利上げを検討する可能性に含みを残した。

一方、欧州中央銀行(ECB)は21日の理事会で、11年以来となる25bpの利上げを実施する見通し。ユーロ安がその路線に影響を与える可能性は低い。ECB報道官はユーロがパリティを下回ったことを受け、声明で「ECBは特定の為替相場を目標にすることはない」とし、「物価安定を巡る責務に関連し、為替相場がインフレに及ぼす影響に常に注意を払っている」とした。

カナダ銀行(BOC、中央銀行)はこの日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を100bp引き上げ、2.5%とした。100bpの幅での利上げは1998年以来初めて。

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これを受けてカナダドルは0.39%上昇、1米ドル=1.2967カナダドルを付けた。

ドル/円は0.31%上昇し137.33円。一時、24年ぶりの高値となる137.81円を付けた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.43%上昇し1万9791ドル。

ドル/円 NY終値 137.42/137.44

始値 137.01

高値 137.86

安値 137.03

ユーロ/ドル NY終値 1.0060/1.0064