新興市場見通し:神経質ながらも底入れを探る展開

Fisco

発行済 2022年07月16日 14:20

更新済 2022年07月16日 14:30

■超大幅利上げ巡る思惑で方向感出ず

今週の新興市場はもみ合い。
引き続き米長期金利の低位安定が支援要因になったものの、週半ばにかけて控える米国の物価指標への警戒感から週前半は売りが先行。
指標発表後は一時大幅利上げ観測が台頭し緊張感が高まったが、当局の高官発言を受けて週末にかけては警戒感が後退し、買い戻しが優勢となった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.02%であったのに対して、マザーズ指数が+0.70%、東証グロース市場指数は+0.47%だった。


個別では、外資証券によるレーティング格下げがあったフリー (TYO:4478)が-13.6%となったほか、ビジョナル (TYO:4194)が-5.6%、ANYCOLOR (TYO:5032)が-2.6%、JTOWER (TYO:4485)が-6.3%、弁護士ドットコム (TYO:6027)が-6.5%、メドレー (TYO:4480)が-7.8%、Appier Group (TYO:4180)が-5.7%と時価総額上位銘柄は全般軟調だった。
売買代金上位には坪田ラボ (TYO:4890)、イーディーピー (TYO:7794)、マイクロ波化学 (TYO:9227)などの直近IPO(新規株式公開)が入り、これらは週間の値上がり率上位にもランクインした。
ソフトバンクのグループ会社やホリプロと共同でAR/VRを利用した3Dビデオによるリアルタイム配信の実証実験を行うと発表したSKIYAKI (TYO:3995)は週初から人気化し、値上がり率トップに躍り出た。


■米ネットフリックスの決算などに注意

来週の新興市場は一進一退か。
米7月ミシガン大学消費者マインド指数の5-10年先期待インフレ率は2.8%と前月の3.1%から1年ぶりの低水準にまで低下した。
6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げに至った要因の一つがこの期待インフレ率だっただけに、インフレ懸念を和らげる内容で、目先の安心感を誘う。
また、米6月の消費者物価指数や生産者物価指数は揃って予想を大幅に上回ったが、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事など複数の高官は1.00ptの超大幅利上げについては慎重な姿勢を示した。


足元の金利先物市場では7月FOMCで0.75ptと1.00ptの利上げそれぞれが五分五分の確率で織り込まれている。
26~27日のFOMCを通過するまでは思惑がくすぶるが、米6月ISM製造業景気指数の入荷遅延の項目や世界コンテナ運賃指数、さらにはエネルギー・食料品の価格低下を背景にインフレピークアウト期待も高まっている。
7月に仮に1.00ptの利上げが行われたとしても、そこが利上げ幅のピークとなる可能性が高いだろう。
神経質な局面ながらも新興株の底入れは近いと考える。
一方、来週は米国でネットフリックスやテスラの決算が控える。
前回決算で株価急落となったネットフリックスの結果次第では、短期的には国内の新興株の重石となる可能性があるため、留意したい。


個別では、25日移動平均線が上向きでかつ15日終値が25日線より上に位置するテクニカル面が良好な銘柄に着目。
ケアネット (TYO:2150)、ジーエヌアイ (TYO:2160)、クラウドワークス (TYO:3900)、ウォンテッドリー (TYO:3991)、ニューラルポケット (TYO:4056)、スマレジ (TYO:4431)、メドレー、マクビープラ (TYO:7095)、バイセル (TYO:7685)などに注目している。


IPOでは、unerryとエアークローゼットが19日までブックビルディング(BB)期間。
日本ビジネスシステムズは22日まで。
20日からはクラシコムがBB期間に入る。



アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。 上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。

ログアウト
本当にログアウトしますか?
いいえあり
キャンセルあり
変更を保存