NY外為市場=ドル上昇、銀行懸念後退で 年度末控え円は不安定な展開

Reuters

発行済 2023年03月30日 05:51

更新済 2023年03月30日 06:09

[ニューヨーク 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが大半の主要通貨に対し上昇。日本の年度末を控え資金のフローが増加し、円が不安定な動きとなる中、ドル/円は1週間ぶりの高値を付けた。

主要6通貨に対するドル指数は0.18%高の102.67。

マネックス証券のFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「最近の米金融セクターの破綻が収束し、足元落ち着いたように見える」と指摘。リスク心理の改善に加え、中銀が再びインフレ抑制に取り組ことが可能になるという期待がドルを支援しているとし、「下期にはドルの下落局面を想定するが、現時点ではドル高が続く公算が大きい」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)によるシリコンバレー銀行(SVB)破綻を巡る議会証言も、FRBがこのところのダメージを食い止められないという懸念を和らげ、ドルへの追い風になったという見方も示した。

ドル/円は1.37%高の132.71円。

前出のギブン氏は「世界のリスク心理が改善し続ける中、伝統的な逃避先としての円の魅力は薄れつつあるように見える」と述べた。

豪ドル/米ドルは0.48%安の0.6677米ドル。オーストラリア統計局が2月の消費者物価指数(CPI)は前年比6.8%上昇と、伸び率は1月の7.4%から鈍化し、市場予想も下回った。

米ドルはカナダドルに対しても0.2%高。 カナダ銀行(中央銀行)のグラベル副総裁は、銀行システムが深刻な緊張状態に陥った場合、支援に乗り出す用意があると表明した。

暗号資産(仮想通貨)は、ビットコインが3.88%高の2万8329ドル。

ドル/円 NY終値 132.84/132.88

始値 131.89

高値 132.88

安値 131.86

ユーロ/ドル NY終値 1.0843/1.0847