午後3時のドルは下落139円後半、一時140円乗せも利益確定売りに押される

Reuters

発行済 2023年05月26日 15:39

[東京 26日 ロイター] - ドル/円は午後3時時点で、前日のニューヨーク市場終盤(140.05/07円)から下落し139.69/71円付近で取引されている。ドルは朝方に一時140円台と昨年11月以来、半年ぶりの高値水準まで上昇したものの、その後は週末を控えた利益確定売りや持ち高調整の動きが優勢となった。

東京市場は140円付近で取引を開始。仲値にかけては国内輸出企業によるドル売りに押され、じりじりと軟化。その後は時間外取引の米長期金利の小幅な低下を眺めて、139.68円付近まで下落した。「米国や英国が3連休を控える中、通常よりも利益確定売りや調整売りがでやすかった」(上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏)という。

鈴木俊一財務相は26日の閣議後会見で、米債務上限問題や円安が進行している為替市場について注視する姿勢を示したものの、相場の反応は薄かった。

足元の米長期金利は3.8%台と3月以来の高水準で推移。前日発表された米経済指標が概ね底堅い結果となったことや米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が背景にある。CMEのフェドウォッチによると、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が剥落した一方、追加利上げ観測が増えている。

また、前日の植田日銀総裁のインタビュー内容も円安圧力が強まる一因となった。「金融政策の修正にはだいぶ慎重な姿勢な印象。海外勢は安心してドルを買える」(りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏)との声がでている。

SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は、当面日米の金利差が縮まらないとの見方が広がるなど「昨年150円を付けた時と日米双方の立ち位置に変化がない」と指摘。ドルの目先のターゲットとしては、昨年11月23日の高値141.62円付近、同水準を超えれば昨年10月高値(151.94円付近)から今年1月の安値(127.21円付近)の61.8%戻しの142.50円付近とみる。

みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は、市場では米国の景気に対する懸念と楽観論が交互にくる中で、「足元は楽観論の局面にあり、ドルは勢いがある。日足一目均衡表の雲上限の142円付近を目指していく可能性がある」とした一方で「150円に到達するのは難しいのではないか」との見方を示した。

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